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予測不能?「光る君へ」最終回7つの注目ポイント「紫式部は没年不詳」「雲隠の謎」大河の新たな可能性開拓

スポニチアネックス / 2024年12月15日 5時2分

大河ドラマ「光る君へ」最終回(第48話)。まひろ(吉高由里子)(C)NHK

 女優の吉高由里子(36)が主演を務め、まひろ/紫式部役に挑んできたNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は15日、15分拡大で最終回(第48話)を迎える。紫式部は生没年不詳のため、ストーリー展開は予測不能だが、見どころを探り、7つの注目点にまとめた。まひろ&藤原道長“平安のソウルメイト”はどうなる?

 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛けた大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となった。

 最終回は「物語の先に」。寛仁4年(1020年)、まひろ(吉高由里子)は大宰府から都に生還したものの、源倫子(黒木華)から藤原道長(柄本佑)との関係を問いただされ、2人のこれまでを打ち明ける。すべてを知った倫子は驚きとともに“ある願い”をまひろに託す。やがて時が経ち、道長は共に国を支えた公卿や愛する家族が亡くなる中、自らの死期を悟って最後の決断。まひろは道長危篤の報を聞き…という展開。

 (1)まひろの最期は?

 紫式部の没年は、与謝野晶子による長和5年(1016年)説から長元4年(1031年)説まで様々。今作は劇中、何年まで進むのか。

 そして、大河の最終回は主人公の今際(いまわ)の際が描かれることも度々。まひろは最期を迎えるのか。

 史実としては、藤原道長の没年は万寿4年(1027年)。大石氏は「武士の時代の到来を感じさせて、このドラマを終わりたい。台本を書き始めた頃から、そう決めていました。なので、迷うことはなかったんですが、最終回は盛り込みたいエピソードがいっぱいありすぎて、あと3回ぐらい放送が欲しいな、と。あれこれカットせざるを得なくて無念でしたが、密度は濃くなっています」と予告している。

 (2)倫子VSまひろは?

 視聴者の大きな関心が集まるのが、まひろ&道長&倫子の三角関係。前回第47話(12月8日)のラスト、倫子は「それで、あなたと殿はいつからなの?私が気づいていないとでも思っていた?」――。あらすじには「(まひろは)2人のこれまでを打ち明ける。すべてを知った倫子は…」とあるが、永観2年(984年)(第3回、1月21日)の初対面から36年。2人はどのように語り合うのか。

 次回予告には「よろしいかしら」と道長に歩み寄る倫子の姿も。まひろ→道長と連続“事情聴取”か。

 (3)道長の晩年・最期は?

 史実としては、道長は晩年、子女に先立たれている。万寿2年(1025年)に小一条院(敦明親王)と結婚した三女・藤原寛子、敦良(あつなが)親王(のちの後朱雀天皇)に入内した六女・藤原嬉子(演じたのは太田結乃、最終回は瀧七海)、万寿4年に出家していた三男・藤原顕信(演じたのは百瀬朔)、次女・藤原妍子(演じたのは倉沢杏菜)と、相次ぐ悲劇に見舞われた。

 藤原行成(演じたのは渡辺大知)は道長と同年同日に逝去。道長の晩年・最期が描かれるなら、どのようになるのか。

 (4)ききょう&まひろは?

 「紫式部と清少納言は面識がない」が通説だが、今作のまひろ&ききょう(ファーストサマーウイカ)は「源氏物語」「枕草子」の執筆を刺激し合う親友にしてライバルとして描かれた。

 ききょうの登場は、仕えた“推し”藤原定子(高畑充希)の輝きをなきものとした「源氏物語」への恨みを捨て、藤原隆家(竜星涼)を大宰府に送り出した第43話(11月10日)以来。和歌の会への“カチコミ”(第41話、10月27日)以降、まひろとの雪解けはおろか、再会すらなく、SNS上には心配の声が上がっていたものの、第47話ラストの次回予告には、お互いに年齢を重ね、笑う姿があった。友情復活となるのか。

 (5)賢子&双寿丸は?

 次回予告。藤原賢子(南沙良)は「私は“光るおんな君”ですもの」と男にもたれ掛かる。第47話、双寿丸(伊藤健太郎)の肥前行きを知り「私、“光るおんな君”となって生きようかしら」、まひろ(吉高由里子)に「誰の人生も幸せではないのですね。政の頂に立っても、好きな人を手に入れても、よい時は束の間。幸せとは幻なのだと、母上の物語を読んで知りました。どうせそうなら、好き勝手に生きてやろうかしらとも思って、さっき“光るおんな君”と申したのです」と語ったが、早速、有言実行となるのか。

 史実としては、紫式部の娘・大弐三位は藤原道長の次男・藤原頼宗(演じたのは上村海成)、藤原公任の長男・藤原定頼らとの交際で知られ、藤原道兼の次男・藤原兼隆と結婚。頼宗と賢子は、今作においては異母兄妹となる。

 次回予告には、馬上の双寿丸の姿も。肥前に向かった後、何をしているのか。

 (6)「雲隠」の謎は?

 次回予告。まひろは「光る君が死ぬ姿を描かなかったのは…」――。その理由を打ち明けるのか。

 実際、「源氏物語」で主人公・光源氏の“最期”は描写されていない。光源氏が自らの人生を振り返る第41帖「幻」と、第3部スタートの第42帖「匂兵部卿(匂宮)」との作中“空白の8年”の間に、主人公は世を去っている。「幻」と「匂宮」の間にある「雲隠」に本文はなく、巻名のみが伝わる。本文は「もともと書かれていない」「あったが、散逸した」「後世に加えられた」などの説がある。

 今作流の解釈が注目される。

 (7)紫式部“爆誕”は?

 今作に「紫式部」という名前は登場していない。そもそも後世の通称で、藤原実資の日記「小右記」には「藤原為時の女(むすめ)」として登場。内裏に出仕した後は「藤式部」と呼ばれたとみられる。

 最終回で紫式部“爆誕”となるのか。

 大石氏が恋愛パートと政争パートを両軸に、流石の作劇。まひろの母・ちやは(国仲涼子)の初回(1月7日)“退場”など、大胆なオリジナル設定も奏功した。美術チームも奮闘し、初の“平安貴族大河”に見事に活写。“非戦国大河”“文化系大河”の可能性を開拓し、視聴者を魅了し続けた。「物語の先に」待つのは果たして。

 【参考文献】倉本一宏「紫式部と藤原道長」(講談社現代新書)

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