倉本聰氏 東京を離れて約50年 北海道富良野市への移住を決めた理由「もう一度、生き直そうと思って」
スポニチアネックス / 2024年12月15日 17時13分
脚本家の倉本聰氏(89)が14日放送のTBS「人生最高レストラン」(土曜後11・30)にゲスト出演。北海道移住を決意した理由を明かした。
倉本氏は都内の名門高校から東大に進学。大学時代から脚本を書き始め、1959年にニッポン放送に入社。ラジオ番組のADとしてキャリアをスタート。その後、“倉本聰”のペンネームで他局のテレビ番組の脚本を書きながら、ラジオの仕事をこなす日々を過ごし、1963年にニッポン放送を退社。フリーの脚本家として活動する中、NHKを激怒させ、大河ドラマ「勝海舟」の脚本を途中降板することに。
失意の後、気付いた時には千歳空港にいたといい、「SBCのディレクターに電話して“やっちゃった”と。こっちで住むホテル探してって言って。タクシーの運転手やろうと思ったの。(脚本の仕事が)1個もなくなったから。(他局も)使わないぞ、って」と当時を振り返った。
そんな中、毎晩のように飲み歩いていたという倉本氏。「優しい、北海道の人って。NHKとケンカしたっていうのは新聞にも出たから、凄い温かくしてくれるの。ホテルに泊ってたら金かかるから“マンションへ入りなさい”って。マンション借りたの。それがすすき野のすぐそばで、ホステスとヤクザしか住んでない。ホステスの人、みんな優しいの、コインランドリーがあって、朝やってると、“先生、そんなこと、男がやるもんじゃない。私がやるから”って洗濯してくれて。これはもう北海道に住むしかないって思って」と北海道の人の優しさに触れ、北海道移住を決意したという。
ただ、「カミさんが“貯金が7万円しかなくなったわよ”って言ってきたの。使ったんだね~」と苦笑。「そしたら、来たのよ、マンションに男が。あるプロダクションのマネジャーで、“脚本を書いてくれ”って。“何でも書いていい?”って聞いたら“いい”って。“よしテレビの悪口を思いっきり書いてやろう”って。それで『6羽のかもめ』っていうのを書いたんです」と回顧。「それが非常に評判良かったんです。その時に“ありがとう!”って、マネジャーが“お困りでしょうから、これをお使い下さい”って、札束を出したんだよ。この札束の有難みっていうのはね。借金返して歩いてね、とても返せるもんじゃなかったけど」と苦笑した。
当時暮らしていたのは札幌。富良野に住むことを決めた理由は「一番北海道でも激しく暑くて、寒いところにしようと思ったの。自然が一番厳しいところに。自然が一番厳しいところに。もう一度、人間に帰んなくちゃダメだと思ったの。俺もだらけてるから、もう一度、生き直そうと思って」と説明した。
富良野移住後、代表作「北の国から」シリーズを執筆することに。倉本氏は「(今では)NHKに凄く感謝していますよ。(ずっと東京にいたら『北の国から』は)できてないですね」とした。
倉本氏は「前略おふくろ様」「北の国から」シリーズなど多くのヒット作を生み出した脚本家。65歳で紫綬褒章、75歳で旭日小綬章を受章した。北海道富良野市に移住して約50年となる。
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