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西岡徳馬 日本人の原点は「優しさ」 「SHOGUN」と「SHOHEI」で世界に日本人の美徳示した

スポニチアネックス / 2024年12月17日 5時2分

笑顔を見せる西岡徳馬(撮影・西尾 大助)

 9月に米エミー賞で18冠を獲得した時代劇ドラマ「SHOGUN 将軍」への出演が話題となった俳優の西岡徳馬(78)が本紙のインタビューに応じた。ディズニープラスで全世界に配信された同作で、ハリウッドに初進出。主演の真田広之(64)と「日本人の素晴らしさと武士道精神を世界に見せつけよう」と誓い合い、撮影に臨んでいた。

 「SHOGUN」では、真田演じる主人公・吉井虎永の側近であり無二の友・戸田広松を好演。鬼気迫る切腹シーンでは多くの視聴者の涙を誘った。表現したかった日本人の素晴らしさが世界に伝わったのか、米テレビ界最高の栄誉とされるエミー賞で世界を席巻。今月出版された西岡初の自伝「未完成」(幻冬舎)でも、撮影の裏話を披露している。

 西岡が考える日本人の素晴らしさとは「人に対する優しさ」だ。「礼に始まり礼に終わる。スポーツもそうじゃないですか。相手を思いやって、人に悪さをしないっていうのは日本人の原点」。劇中では敵将への降伏を決めた虎永の意に逆らい「気持ちを変えないならばここで腹を切る」と詰め寄り、殿の命を受け切腹した。「悲しみや悔しさではなく、“自分ができる役割を果たせた”という、ある種の喜びを持って死んでいったんです」。一見残酷に見える切腹も、仕える殿を思う気持ちがあってこそという解釈だ。

 「優しさ」を持つためには何が必要なのだろうか。この問いには「人のことを好きにならないとダメですね」と答えた。「欠点を見るんじゃなくて、良いところを見て持ち上げる。“ここがダメだ”ではなく、“ここが良いから、ここをこうしたらもっと良くなる”ってね。それが優しさに通じるんじゃないかな」と持論を語った。

 その西岡が「素晴らしい」と絶賛するのが、ドジャースの大谷翔平(30)。その立ち居振る舞いには尊敬のまなざしを向ける。「グラウンドのごみを拾ったり、死球をぶつけられても“オーケーオーケー”って。あの礼儀正しさと笑顔は称賛に値する」と賛辞を惜しまない。「ぜひお会いしてみたいね」とラブコールを送った。

 エミー賞の授賞式が行われたロサンゼルスはドジャースの本拠地。「大谷くんとSHOGUNでロサンゼルスは沸き上がりましたから。世界が日本人というものを考え直すきっかけになったんじゃないかと思う」。日本人の美徳を世界に示した快挙は、人生の大きな1ページとなった。(塩野 遥寿)

 ≪自伝「未完成」PC操作“二刀流”≫自伝「未完成」では、自身の生い立ちから、高倉健さん、勝新太郎さんといった巨星たちとの逸話を記した。執筆のため「今まで触れたことがなかった」というパソコン操作に挑戦した。ひらがな入力で人さし指のみを使って文字を打つスタイル。両手の人さし指を使い、大谷ばりの“二刀流”で作業を進めた。「夜10時ごろから始めて、夢中になっているうちに朝の6時」と言うほどのめり込んだ。時には一晩かけて作成した文章を保存しないまま電源を切ってしまうハプニングも。それでも約3カ月の執筆活動を振り返り「大変だったけど、面白かったですよ」と笑った。

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