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なでしこ初外国人指揮官・ニールセン氏 世界一奪還へ、カギは「勇気」と「対話」 来年2月に初陣

スポニチアネックス / 2024年12月19日 4時31分

会見に臨むニールセン監督(撮影・西海健太郎)

 女子日本代表「なでしこジャパン」のニルス・ニールセン新監督(53)が18日、都内で就任会見に臨んだ。同代表で外国出身者として初めて指揮を執るデンマーク人監督は、11年W杯以来の世界一奪還を宣言。「勇気」と「対話」をなでしこ復活の鍵に挙げた。来年2月のシービリーブス杯(米国)で初陣を迎える。

 約70分間の会見に、新指揮官の人柄が表れていた。自身の生い立ちからなでしこジャパンの未来像まで、ニールセン監督は丁寧に言葉をつないだ。「日本が世界のトップに返り咲くことを目指している。それだけのタレントはそろっている。ハードワークと献身性で実現させていきたい」。招聘(しょうへい)に尽力した佐々木則夫女子委員長も「監督に成功してほしいと感じる人間味がある」と改めて太鼓判を押した。

 ミッションは明確だ。27年女子W杯での世界一奪還と、28年ロサンゼルス五輪の金メダル。ともに8強で敗退した昨年のW杯、今夏のパリ五輪で浮き彫りになった日本の課題は把握済みで、「ボールを持っている時も持っていない時も、自分たちから支配すること」とアグレッシブな姿勢を説いた。

 「勇気」と「対話」がなでしこ復活の鍵になる。「何かを達成するために必要なのは強い気持ち。そのためには勇気が必要」。ピッチでは選手の長所を重んじ、チームの一体感を重要視する。「自分の意見を率直に伝えることを大事にしている」と明かした。

 20歳の頃に背中の大ケガを負い、選手生活を断念。30年以上の指導者人生でデンマーク、スイスの女子代表などを率いた。昨年からマンチェスター・シティーの強化部門に就いたが、監督業への情熱は尽きなかった。「日本のようなチームを率いることが夢だったと、はばからずに言いたい」。初陣は来年2月に米国で開催されるシービリーブス杯。“ニルス”の壮大な旅が幕を開ける。 (坂本 寛人)

【ニールセン氏に聞く】

 ――監督としてはどんなタイプか。

 「非常にポジティブな人間。これができないから選ばない、ではなく、これができるから選ぶという考え方をする」

 ――ケガで選手生活を断念した。

 「最初は受け入れられず、1年間は怒りに満ちていた。ただどうしてもサッカーに関わっていたかった。分かったことは、自分は選手よりもコーチの方が向いている」

 ――マンチェスターC所属の長谷川唯への期待は。

 「ピッチ上で強い存在感を示すことができる。彼女と一緒にずっと仕事をしたいと思っていたので、チョイスは日本代表監督になることだった」

 ――2月の初陣に向けて。

 「1月に日本でいろんな試合を見たい。現時点で準備できている選手を選ぶ」

 ◇ニルス・ニールセン 1971年11月3日生まれ、デンマーク領グリーンランド出身の53歳。大ケガで選手生活を断念し、20歳ごろに指導者転身。同国クラブの下部組織や世代別の男子代表監督などを務めた。13~17年に同国女子代表監督。17年に欧州女子選手権で準優勝に導き、FIFA女子年間最優秀監督の最終候補に選出。その後はU―20中国女子代表アシスタントコーチ、スイス女子代表監督を歴任。23年から今年5月までマンチェスターCの女子テクニカルダイレクターを務めていた。

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