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フィギュア全日本選手権20日開幕 岡崎真氏の展望 男子、女子、ペアに“台風の目”も

スポニチアネックス / 2024年12月19日 5時1分

<GPファイナル ジュニア女子SP>ぬいぐるみを抱きしめて笑顔の島田麻央(撮影・長久保 豊)

 フィギュアスケートの全日本選手権はあす20日から3日間、大阪府の東和薬品ラクタブドームで行われ、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪の出場枠が懸かる世界選手権(来年3月、米ボストン)代表が決まる。男子は2連覇していた宇野昌磨が昨季限りで引退し、初優勝争いに注目。前回2位の鍵山優真(21=オリエンタルバイオ・中京大)が最有力だ。女子は若手が台頭する中、坂本花織(24=シスメックス)が17年の宮原知子以来となる4連覇を狙う。ISUテクニカルスペシャリスト岡崎真氏が今大会の展望を語った。

 【男子】これまでの鍵山はシーズン後半の大舞台に向けて調子を上げていくタイプの選手だったが、今季はGPシリーズの初戦からミスはあったものの比較的安定しており、「自分がトップになるんだ」という自覚が感じられる。羽生や宇野がいなくなり、文字通り日本のトップとして臨むことになるので、そのプレッシャーの中でどんな演技を見せてくれるのか楽しみだ。GPファイナルではSPとフリーで得意の4回転サルコーを続けて失敗しているだけに、どう修正してくるか。来年3月の世界選手権でのマリニン(米国)との戦いに向けても、さらに「質」を高めていくことが求められる。

 鍵山を追う他の選手の中では佐藤が一歩リードしている。鍵山のようにGOE(出来栄え評価)のプラスを量産する選手ではないが、4回転ルッツを持っているし、大きく崩れない安定感も武器になる。この2人に続く3番手争いは熾烈(しれつ)で、三浦、山本、友野、島田らが激しく競う。三浦はNHK杯で崩れているのでどこまで復調しているか。山本、友野もベテランの意地を見せてくれるはずだ。

 【女子】世界女王の坂本はGPファイナルで3位に終わったものの、逆にそれで気合を入れ直してくるに違いない。すでにベテランの域に達しているとはいえ、彼女は毎年新しいことにチャレンジしている。今季も髪形や髪の色を変え、フリーでは今までのイメージとは違う「シカゴ」にもチャレンジしている。世界女王の意地もあるだろうし、全日本は特に重きを置いている大会でもあるので優位は動かないだろう。

 ファイナルで坂本を上回った千葉は、昨季の全日本を機に覚醒した印象がある。抜群の安定感で5種類3回転までの勝負なら他の選手よりも頭一つ抜けている。大きく崩れなければ世界選手権代表も有力だ。

 世界選手権代表の対象にはならないが、島田は台風の目と言っていい存在だ。ジュニアのGPファイナルではミスが目立ったが、シニアと戦う全日本ではモチベーションもさらに上がる。ジュニアと違って今回はSPからトリプルアクセル(3A=3回転半)を入れられるのも大きい。演技力ではまだシニアに及ばないとはいえ、3Aと4回転ジャンプに加えてスピンもうまい。演技点の差を技術点で補えれば、表彰台の一番上に立つ可能性もありそうだ。

 【ペア】三浦・木原組の「りくりゅう」にとって、国内での大会は勝ち負けではなく、それぞれがそれぞれのできることを一緒にやって頑張りたいという気持ちだろう。目標はあくまでも来年の世界選手権、再来年の五輪なので、それを踏まえた上での演技となりそうだ。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

 ▽フィギュアスケート世界選手権代表選考 男女は各3枠で全日本選手権優勝者が自動的に代表入り。2人目は全日本の2、3位やGPファイナル上位2人(男子の鍵山と佐藤、女子の千葉と坂本)、全日本終了時で国際スケート連盟公認のシーズン最高得点の上位3人から選考。3人目は世界ランキングなども加味して選出する。女子の16歳の島田は年齢制限で対象外。3枠のペアは全日本の上位3組や世界ランキング最上位組(三浦、木原組)などから総合的に判断。アイスダンスは1枠。

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