【渡辺恒雄さん語録(2)】「10球団なら1リーグだ」 監督交代は「読売グループ内の人事異動」

02年巨人日本一祝賀会、松井秀喜外野手（左から３人目）に本をプレゼントし激励する渡辺恒雄オーナー

　読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄（わたなべ・つねお）さんが、19日午前2時、肺炎のため東京都の病院で死去した。98歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者のみで行う。喪主は長男睦（むつみ）さん。読売新聞グループ本社が発表した。

　プロ野球・巨人のオーナー、株式会社読売ジャイアンツ取締役最高顧問などを歴任し、日本球界の発展に寄与。野球界のみならず、サッカー、角界にも大きな影響を与えた渡辺氏の言葉を振り返る。

　【2001年11月・ヤクルトの株式を保有しているフジテレビと同グループのニッポン放送が横浜の筆頭株主となることを実行委員会が承認】

　▼2001年11月16日（フジサンケイグループが横浜、ヤクルト両球団の経営に参加することは協約違反であると異議）フジがまさかヤクルトの株を20％持っているとは知らなかった。（同17日に）相撲だって部屋同士はやらない。それをちょっと株主が違うとかいって、八百長やったらどうするんだ。

　▼同11月26日　コミッショナーの裁定が協約に反する裁定になった場合はプロ野球機構から脱退する。協約を守る球団と守らない球団に分かれればいい。10球団なら1リーグだ。

　▼同11月29日（実行委で決定白紙撤回に文書で対応）本日の実行委員会で、前回の決定が白紙になったことは歓迎する。

　【2000年代】

　▼02年1月9日（ダイエーのホークス身売り報道について）プロ野球のためにも王ちゃんのダイエーは残さなければいかん。スーパーが駄目だからって球団がなくなるのはオレにしては我慢ならん。ダイエー球団が独立してやっていけるようにしなければならん。

　▼同1月18日（セ・パで検討している交流戦について）パだけで決めてもしようがない。俺が疑問に思うのはペナントの成績に異なった要素を入れると記録としておかしくなる。それは簡単には妥協できない。ペナントに換算しろというのは無理がある。

　▼同11月1日（松井がメジャー移籍を決断したことに）松井君の巨人に対するこれまでの貢献に報いるためにも、彼の希望に応えてやるのは当たり前。巨人魂をニューヨークで見せてくれれば一番いい。

　▼同11月22日（中村紀の阪神との獲得競争について）こっちにはペタ（ジーニ）がいる。土下座してまでおいで願わなくてもいい。巨人には巨人カラーがある。

　▼03年7月21日（ダイエーの実質的な外国資本企業への身売りの可能性について）ハゲタカ（外資企業）に身売りさせるわけにはいかん。日本の伝統あるプロ野球をそんなのにさらすのは断じて許さん。そういうことをやっているなら、さらばだ。

　▼同9月26日（原監督の辞任、堀内新監督の就任会見で）辞任とか解任ではなく、読売グループ内の人事異動。