渡辺恒雄氏、死去 訴え続けた非戦・反戦 自身の体験から軍幹部を「加害者」と批判
スポニチアネックス / 2024年12月20日 4時3分
渡辺恒雄氏は非戦・反戦を訴え続け、時の首相の靖国神社参拝も強く批判してきた。そのルーツは自身の戦争体験。19歳の時に敗戦が確実視される中で徴兵され、理由もなく顔を殴られる日々が続いた。戦争を拡大し、特攻や玉砕といった作戦で多くの命を奪った軍幹部を「加害者」と強く批判した。
戦後は天皇制や軍隊に反対する立場から日本共産党に入党。特に靖国神社が、東京裁判でA級戦犯とされた東条英機元首相らを合祀(ごうし)したことを批判した。
反戦キャンペーンは読売新聞でも展開。社長・主筆になると、国際情勢に合わせて憲法を見直すべきだとして憲法問題調査会を設置した。前文や9条など憲法全体に検討を加えた「憲法改正試案」が94年に公表されると大きな反響を集めた。05年には社内に戦争責任検証委員会を設置。日本政府や軍指導者の責任の有無など、戦争の原因を検証するために指揮を執った。
過去の戦争を美化する主張が目立ってきたことを嘆き、戦争体験者がいなくなることへの危機感をにじませていた。
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