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「最初からうまく行っていた訳ではない…」 母校訪問で巨人・オコエが伝えたかった思い

スポニチアネックス / 2024年12月20日 8時1分

母校を訪問し、生徒とフリースロー対決を行ったオコエ瑠偉と桃仁花兄妹(撮影・光山 貴大)

 今がダメでも、やり続ければいいことがある。そんな思いを伝えたかった。巨人のオコエ瑠偉外野手(27)が18日に、母校の東京都東村山市立東村山六中を訪問。後輩たちに「自分は中学生の時はうまくいかないことばかりだった。どんなことでも夢を持ち続けることが大事。プロ野球選手になれた今も、次の新しい夢に向かってやっている。みなさんも夢を持ってこれからも頑張ってほしい」と力強く語りかけた。

 自身が困難を乗り越えてきたからこその思いだった。「プロ野球選手は昔からうまくやってんだろとか、昔から能力に頼ってみたいな感じで言われがちですけど、自分が注目してもらえたのは高校の最後だけ。中学生の時は野球をやりたくてもできなかった時期が長かった」。中学時代に「大腿骨頭すべり症」と診断され、2回の手術を経験。約半年ずつ車椅子生活と松葉づえ生活を経験した。

 「病気を言い訳にして、不登校と言われてもおかしくない時期があった」

 学校に足が向かない時期があったと明かした。野球を辞めることも考えたという。それでも、当時の仲間から寄せ書きや励ましのメッセージをもらい踏みとどまった。関東第一3年時に一躍、甲子園のスターとなりドラフト1位でプロ野球の世界へ。辛かった中学時代の気持ちが分かるからこそ、体育館の2階から見学していた困難な状況を抱える生徒へ向け「ちょっとでも何か届けばと桃仁花とも話していた」とメッセージを送った。

 当日は妹で、女子バスケットボール日本代表として参加した東京五輪では銀メダルを獲得した桃仁花(25=ENEOS)も参加し、生徒へ「スポーツじゃなくても今やっていることを、とにかくやり続けてほしい。やり続けることがこれからの人生で絶対に財産になる。辞めないでやり続けてください」と言葉に力を込めていた。

 プロという特別な舞台で戦う兄妹が口をそろえた。オコエは言った。「全てがうまくいくことはない。うまくいかない時にどうやってそれをひっくり返しに行くかみたいなのが、いつでも大事だと思う。今がどん底でも、ここから上がってくぞという気持ちになってくれれば」。現役ドラフトで加入した巨人で輝きを取り戻した27歳の信念が垣間見えた時間だった。(記者コラム・小野寺 大)

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