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「ドクターX」P明かす 思わず「勘弁してほしい」と大御所俳優に告げた過去 その結果生まれたものは…

スポニチアネックス / 2024年12月21日 7時1分

「劇場版ドクターX」完成報告会見でポーズをとる(前列左から)岸部一徳、内田有紀、米倉涼子、田中圭、西田敏行さん、(後列同)鈴木浩介、遠藤憲一、勝村政信

 【インタビュー】女優・米倉涼子(49)主演の映画「劇場版ドクターX」が6日に公開され、好調スタートを切った。組織に属さず、病院を渡り歩く天才外科医・大門未知子が重病患者を救い、同時に敵も鮮やかに倒していく姿が人気のシリーズ完結編。2012年のシリーズ誕生から手掛けてきたテレビ朝日取締役でエグゼクティブプロデューサーの内山聖子(さとこ)氏に12年を振り返ってもらい、社会現象にもなった作品への思いを聞いた。(鈴木 美香)

 「“神は細部に宿る”ではないですが、医療ドラマでもあり、病気のことや治療の過程など細かに、すごく真剣にやっていたので、ドラマが人気になっているとか、“私、失敗しないので”が広まっているとか、そうしたことを認識する余裕がありませんでした」

 ストーリーのエンタメ性に加え、患者の病状や置かれた状況、手術シーンへその時の社会状況などが反映され、医療、社会ドラマとしても引き込まれる作品として人気を博してきた。だが、作り手としては制作に没頭してきたが、それでも社会現象のいったんを日常で目にすることもあった。

  「勝村さんがいろいろな場所で“加地先生”と声を掛けられていたりとか、この前も社内で“請求書です。メロンはありませんけど”というやり取りをやっている社員を見ました。(岸部)一徳さんとの“メロンです。請求書です”のアドリブをまじえたやり取りが面白すぎて、視聴者の皆さんにもやっぱり印象に残っている。私たちがあらかじめ作ったものを超え、さらに現場でできあがったことがこうして受け入れられているのは、アドリブを楽しくやってくださった西田さんの功績と思います」

 2013年の第2シリーズから出演し、大門を目の敵にする病院の重鎮・蛭間重勝を演じてきた西田敏行さんは76歳で10月に亡くなった。シリーズの人気を支えた理由の一つが、息の合った掛け合い。根幹をなす、レベルの高いアドリブで現場を引っ張っていった西田さん。だが、現場としては、予定調和ではないからこそ、苦言を呈したこともあった。

 「こちらとしては台本を作っても、アドリブでどんどんセリフを変えられてしまうので“本当に勘弁してください”と言ったことがあったんです。だけど、西田さんは“さとP(内山氏のこと)、大丈夫だから。最後は戻すから”と言って、本当に全然違うアドリブをやるんです(笑い)。だけど、最後はもともと次のセリフがあった人が受けられるように戻していました。編集をして尺に合わせて切り取っても、ちゃんと台本の意味に戻っている。結果、自分たちで用意したものより絵で見ると面白くなっている。プロデューサーの私にしてみれば刺激的で面白いところでした」と西田さんの“唯一無二”ぶりを明かした。

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