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阪神・佐藤輝 甲子園弾「もっと打ちたいです」 昨年13本→今年4本→来年は「縦回転」で量産狙う

スポニチアネックス / 2024年12月22日 5時17分

デモンストレーションで子供たちに打撃を披露する阪神・佐藤輝(撮影・北條 貴史)

 阪神・佐藤輝明内野手(25)が21日、兵庫県西宮市内で自身の後援会が主催する野球教室に参加。来季は甲子園での本塁打数をV字回復させることを誓った。4年目の今季は自己ワーストの4本。11月に高知県安芸市で行われた秋季キャンプ中には聖地特有の浜風対策の一環として、逆方向への打球を徹底的に磨いた。独自で確立する「縦回転」スイングも完成目前。13本を記録した昨年以上のアーチ量産を誓った。

 猛虎の中軸として、必ず越えなければいけない壁がある。甲子園でいかにして、本塁打を量産できるか。今季、その分厚い壁にはね返された一人が、佐藤輝だった。

 「もっと(甲子園でホームランを)打ちたいです。それ(23年の13本塁打)以上」

 来季を華々しく彩る上で、狙うは聖地弾のV字回復だ。プロ1年目の21年から8、5と推移した本塁打数は昨季、13本まで急増。類いまれな打撃センスと日本人離れしたパワーを、改めて満天下に知らしめた。一転、今季は自己ワーストの4本。プロ野球のトレンドとなりつつある投高打低のあおりと、聖地特有の右翼から左翼方向へ吹く浜風に飛球は何度も押し戻された。

 特に左打者を悩ませる難敵の攻略法に関して、一度は「もう、運でしょ。運が大事です」とおどけた。それでも「気にしすぎても自分のバッティングが崩れるだけ」と続けたのは、逆風を気にせずとも結果を残せる自信があるからだろう。

 手応えをつかみつつある。高知県安芸市で行われた11月の秋季キャンプでは、打球を中堅から左方向へ徹底して柵越えを量産した。昨年のオフには、米ワシントン州シアトルに拠点を構える最新の野球研究・トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」を訪問。武者修行を機に構築し始めた独自の理論「縦回転」打法も、1シーズンを戦い終え成熟度は増している。スイングについての理解度も格段に深まってきており、来季の躍進に期待大だ。

 開催された野球教室のフィナーレでは、ジャンパーを脱ぎ打撃を実演。食い入るように見つめていた少年少女たちを横目に、タテジマのユニホームで豪快なスイングを披露し、大飛球で沸かせた。

 「それ(甲子園での本塁打)は難しいですよね。甲子園なので。でも、それで打てばもっと価値がある。また来年頑張りたい」

 92年のラッキーゾーン撤去以来、日本選手の左打者では04、05年に金本知憲が記録した15本が最多。虎の和製大砲なら決して不可能な数字ではない。その先に自己最多24本を大きく上回る、30本の大台到達がある。(石崎 祥平)

 ○…佐藤輝の「野球教室」には、自身が小学校時代に所属した甲東ブルーサンダースを含む小学6年生の計5チーム、少年少女約40人が集まった。打撃練習の前には子供たちから、理想のスイングの形やタイミングの合わせ方など質問攻め。佐藤輝は「振ったら全部ホームランになるスイングが理想。タイミングはネクストバッターズサークルからしっかり合わせる。三振は誰でもする。次の打席で打てば大丈夫」と助言を送った。

 ○…佐藤輝(神)は今季キャリア最少の16本塁打で、新人の21年からの連続シーズン20本塁打以上が3年でストップ。甲子園での4本塁打も22年の5本を下回り最少となった。

 ○…甲子園の通算本塁打は掛布雅之の144本を筆頭に田淵幸一139本、岡田彰布128本、真弓明信125本の4人が3桁。佐藤輝の30本は、現役選手では大山の61本に続く2番目。また、同球場のシーズン最多本塁打は86年バースの25本で、85年岡田の23本、76年田淵と85年バースの22本と続く。

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