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富士大の次は「中京大旋風」予感 ドラ1候補、最速155キロ、1メートル90左腕 好投手輩出の秘密は

スポニチアネックス / 2024年12月22日 8時3分

中京大・高木快大

 今秋のドラフト会議では、オリックス1位の麦谷祐介(4年)ら富士大から育成を含む6選手が指名された。一つの大学から6人が指名されたのは、史上最多の快挙だった。この岩手にある大学が起こしたサプライズに続こうと、来秋に複数選手をNPBに送り込もうとする地方大学がある。愛知大学野球連盟に所属する中京大だ。

 最注目は最速153キロ右腕の高木快大(3年)だ。伸び上がるような縦回転の直球を持ち味とし、3年春のリーグ戦では連盟59年ぶりの完全試合を達成した。3年生ながら大学日本代表の先発ローテーションに入るなど、早くも来秋1位候補として評価されている。

 他にも個性派投手がそろう。最速148キロの沢田涼太(3年)は、身長1メートル90を誇る長身左腕だ。享栄(愛知)時代は、同学年投手の竹山日向(21年ヤクルト5位)、菊田翔友(23年中日育成2位)の陰に隠れ、公式戦登板は3年春の1試合のみだった。「身体を鍛えられたことが大きい」と、自己最速が高3夏から10キロアップする148キロに上昇。今年は、春秋リーグ戦で計13試合に登板し、順調に経験を積んでいる。

 スリークオーターから最速155キロの剛球を投じる右腕・大矢琉晟(3年)も控えている。持ち味だった直球は、故障期間中に体作りに専念したことでさらに磨かれた。150キロ台を連発できるようになり、3年秋のリーグ戦では登板4試合で防御率1・25(21回2/3、3失点)。スカウトから熱視線を送られる存在にまで成長した。

 野手には、強打の左打ち外野手の秋山俊(3年)がいる。仙台育英(宮城)出身で3年春の選抜で8強入り。大学では2年春に4本塁打で本塁打王、3年秋に打点王を獲得するなど下級生の頃からアピールを続けてきた。

 特に投手の成長が著しい。なぜ、次々と好投手が台頭するのか――。エースの高木は「要因は練習姿勢にあると思います。リーグ戦に投げたことがない投手でさえもエースのような責任感で取り組んでいる」と証言する。入学当初から高木が頭一つ抜けていたわけではない。「入学時点で“こいつはプロに行く”という選手はいなかった。でも、みんなの投げている球は凄かった。その危機感の中で切磋琢磨できたと思う」と仲間に感謝する。

 高卒時点では関東の名門大学に進んだ選手と比べて、個の力で劣っていたかもしれない。それでもNPB入りを目標とする選手同士の競争により、富士大や中京大などが好選手そろう全国屈指の集団に変貌した。(記者コラム・河合 洋介)

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