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“金髪で悪女”坂本花織 圧巻の表現力で4連覇 「守りに入らず攻めていきたい」世界選手権4連覇に挑戦

スポニチアネックス / 2024年12月23日 4時32分

<全日本フィギュア最終日>会見で坂本(中央)の鯛のかぶりものにかぶりつく島田麻央(左)と樋口新葉(撮影・小海途 良幹)  

 ◇フィギュアスケート全日本選手権最終日(2024年12月22日 大阪・東和薬品ラクタブドーム)

 女子は世界選手権3連覇中の坂本花織(24=シスメックス)がショートプログラム(SP)に続きフリーでもトップの149・76点をマークし、合計228・68点で4連覇を達成した。14~17年の宮原知子以来史上9人目の快挙となった。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の枠獲りの懸かる来年3月の世界選手権(米ボストン)代表が発表され、坂本や男子初優勝の鍵山優真(21=オリエンタルバイオ・中京大)らが決まった。

 キスアンドクライで、坂本は思わず絶叫した。4連覇は通過点だと言い聞かせていても、内心はドキドキだった。「今はホッとしている。完璧ではないけど、1位を死守できて良かった」。張り詰めた緊張感の中でも、今できるベストの演技を見せた。

 後半の3回転フリップで着氷が乱れ、2連続ジャンプにミスが出た。それでも他のジャンプはほぼ完璧に決め、表現力を示す演技構成点75・88点で大きく引き離した。金髪で悪女を演じたミュージカル「シカゴ」は女王の貫禄たっぷりだった。

 国内外で覇権争いは熾烈(しれつ)を極めるが、重圧とは無縁。ベテランの域に達し、モチベーションや好不調の微妙な変化も感じ取るが、「私は恵まれている」と分析する。ケガのない肉体と、失敗を引きずらない天真らんまんな性格に救われているという。2週間前のGPファイナルは副鼻腔(びくう)炎の影響もあり2連覇を逃し、3位。それでも「収穫たくさん」と切り替え、すぐに眠りにつける豪快さがあった。

 若手が次々と台頭するが、同世代の頑張りに勇気をもらう。ファイナルの優勝者は、トリプルアクセル(3回転半)を習得した遅咲きの25歳・グレン(米国)。「気迫が伝わってきた。めっちゃ良い刺激になる」。国内でも樋口や三原らの頑張りを目にすると「自分も頑張らなきゃと思う」と明かす。

 次は、史上5人目の世界選手権4連覇に挑戦する。「守りに入らず攻めていきたい」と抱負を語る女王の24年の漢字は「積」。「いろんな経験をさらに積めたし、今までの経験が生きた」。24年を笑顔で締めくくり、勝負のシーズン後半へ向かう。 (大和 弘明)

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