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【虎番リポート】阪神・高橋遥人 引退の先輩に誓うキャリアハイ 「秋山会」忘年会で「無四球完封も」

スポニチアネックス / 2024年12月25日 5時18分

“秋山会”の忘年会(左から)秋山、小川、原口、高橋(撮影・遠藤 礼)

 今季限りで現役を引退した阪神の秋山拓巳氏(33)が、後輩を集めてシーズン中に定期開催していた「秋山会」。その忘年会に本紙・遠藤礼記者が潜入した。レギュラーメンバーの高橋遥人投手(29)は、来季の目標として自己最多6勝以上、無四球完封を尊敬する先輩に約束。11月に受けた手術から復活を目指しており、秋山氏からは復帰後は離脱せず先発ローテーションを守り切ることをノルマに課された。

 冷えた体に染み渡るかす汁に始まり、ミョウガたっぷりの生春巻き、ギョーザ、白マーボー豆腐、ゆで豚を葉野菜で包む韓国料理のポッサム、だし巻き卵…。秋山の妻が腕を振るって作った豪華料理が次々と食卓に並んでいく。

 「じゃあ、みんな今年1年、お疲れさまでした!」

 秋山の乾杯の言葉に後輩の高橋、小川、阪神残留が決まり、急きょ駆け付けた原口がグラスを合わせると愛犬の「デコ」も小さく吠えた。12月某日。この日は、月1回のペースで開催してきた“秋山会”の忘年会、そして現役を引退した秋山の慰労会も兼ねていた。高橋、小川にとっては公私で世話になった先輩で、原口にとっては15年間プレーしてきた同期入団の盟友。今までのこと、これからのこと……。時間は瞬く間に過ぎていった。

 “しめ”のいくらと和牛のミニ丼を口にしながら、自然と話題は来季の目標に。いつも通り、秋山のハイボールを作る“バーテンダー役”を務めていた高橋は、クラッシュアイスをおかわりのグラスに追加しながら「来年は……」と勝負の1年を見据えて言った。

 「6勝……。勝ち星はキャリアハイいきたいと思います!」

 今季は左肩と左手首の手術から8月に、3年ぶりに1軍復帰を果たして5試合で4勝を挙げた。「今年は復帰してからうまくいきすぎましたけど、来年は6勝以上できたらうれしいなと。それぐらい勝てるように投げたい。秋山さんはコントロール良かったんで僕も無四球完封目指します」。高橋は20年の5勝が自己最多。無四球完投は完封した21年10月2日の中日戦を含め、2度の経験がある。

 後輩の目標を聞いた秋山は「僕から遥人にはまじで……なんもないです!」と最初は冗談を飛ばした。だが、続けて、「これだけ手術して我慢してくれた球団に感謝して投げてほしい。球団、トレーナーさん、周りの人をどれだけ心配させたか。肝に銘じて投げてほしい。毎試合、恩返し!」と熱い言葉を送った。後輩左腕が「毎試合気合で投げます」と宣言すると、すかさず「“気合”って書いた鉢巻き巻いて投げろ」とむちゃぶりも飛んだ。

 来季は、11月に受けた「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」からの復帰が当面の目標。度重なる故障のキャリアを見てきた秋山も「復帰してから離脱しないことが一番大事じゃないかな。ケガしても気合やぞ」とエールを送った。

 「来年、秋山さんに良い報告ができるように頑張ります!」

 恩返しの1年へ、不屈の左腕は決意を新たにした。

  =敬称略= (遠藤 礼)

 ○…無四球試合は、投手が四球と死球を与えずに完投した場合に記録される。自身の勝敗や失点は関係ない。阪神時代の秋山は通算8完投のうち、4度が無四球試合。達成できなかった4試合も、四球か死球が1つあるだけだった。完投能力と制球力が必要なため、阪神でシーズン3度は13年のメッセンジャーが最後になる。通算回数のプロ野球記録は鈴木啓示(近鉄)の78。

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