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【箱根駅伝】青学大・鶴川正也 世代最強“自覚”の新エース初舞台

スポニチアネックス / 2024年12月27日 4時32分

最上級生となり急成長した青学大の鶴川

 【箱根駅伝 栄光を継ぐ者(1)】第101回東京箱根間往復大学駅伝は来年1月2日に往路、3日に復路が行われる。10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝と国学院大が制し、3冠に王手をかけている。青学大、駒大を含めた3強を中心に栄冠を狙う有力校の選手たちを紹介。第1回は2連覇を狙う青学大に現れた新エースの鶴川正也(4年)を取り上げる。

 フレッシュグリーンの連覇の鍵は、この男が握る。最上級生となって覚醒した鶴川は「希望区間は往路1、2、3、4区。全部、走りたいくらい。どの区間でも区間新記録を出したい」と準備万全。11月のMARCH対抗戦で1万メートルの青学大記録を更新する27分43秒33をマーク。歴代最強選手として初の箱根路に挑む。

 熊本・九州学院高3年時の全国高校駅伝では実力者の集う1区で区間賞。文字通り世代No・1ランナーは遠回りしてやっと「趣味が陸上になった」と言えるようになった。

 1年から故障を繰り返した。昨年やっと出雲駅伝に出場したが、6区7位に終わった。焦って高負荷の練習を行って大腿骨を疲労骨折する負の連鎖に陥った。「うまくいっていない分、逃げたくなった。忘れたい時間がほしかった」。誘惑に負け「遊んでいた」。練習以外の時間は友人との遊び、ゲームやSNSなどに没頭。今年の総合優勝も「自分が走っていなければ負けても…。それくらいの気持ちが湧き出た」と振り返る。

 だが、今は違う。学生ラストイヤーで自覚が芽生えた。故障を繰り返した3年間で自らの体を理解し、練習量を調整できるようになった。練習以外の時間も自らの体のケアに充てた。今季は学生相手に敵なし。最も得意とする5000メートルでは、6月の日本選手権で当時日本人学生歴代最高(屋外)の13分18秒51の4位で駆け抜けた。

 駅伝では出雲1区、全日本2区で区間賞。箱根メンバー16人からも漏れた1年前から大出世だ。最初で最後の箱根路。原晋監督(57)も「我々のエースは鶴川。3年間苦しみ、最後の箱根駅伝でやってくれると思う」と期待を寄せる。

 ◇鶴川 正也(つるかわ・まさや)2002年(平14)6月2日生まれ、熊本県出身の22歳。託麻中、九州学院高を経て21年青学大入学。今年5月の関東学生対校選手権男子2部5000メートルは、留学生2人に勝って初優勝。初めてテレビで見た箱根でトップを走っていたのが青学大。「青学大で箱根を走るのが、小学生時代からの夢」。卒業後も競技継続予定。1メートル73、60キロ。

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