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巨人・甲斐「包容力」で日本一導け!阿部監督には「あったかどうか…」12年“鉄拳”で頂点の指揮官期待

スポニチアネックス / 2024年12月27日 5時31分

背番号10のユニホームを着用して阿部監督(右)と記念撮影する甲斐(撮影・光山 貴大)

 ソフトバンクから国内フリーエージェント(FA)権を行使して巨人に移籍した甲斐拓也捕手(32)が26日、都内のホテルで入団会見を行った。阿部慎之助監督(45)からの熱い言葉が決断の決め手だったことを明かし、阿部監督が現役時代につけた背番号10を継承。5年総額15億円の契約を結んだ。くしくも12月26日は球団創設90年の「誕生日」。12年以来の日本一の担い手となる新たな扇の要が加わった。

 決意の表れだった。午後1時過ぎ。会見場に姿を現した甲斐は、巨人カラーのオレンジのネクタイを締めていた。ソフトバンク・栗原から贈られた一本。「この日に合わせて着けてきました」と引き締まった表情で入団を喜んだ。

 今月5日の福岡市内での交渉には阿部監督も同席。かけられた熱い言葉が胸に響いた。

 「グラウンド上ではキャッチャーは監督なんだと。そういった司令塔をしてもらいたいと。(背番号)10番もそういった思いを受け継いでほしいと。物凄くうれしい言葉でもあり、実際、重くのしかかる言葉でもあるなと思いました」

 阿部監督は甲斐の捕手としての魅力を「包容力がある」と表現した。「画面から見てもピッチャーと表情だけでも会話ができるような」。続けて「僕はちょっと、鉄拳制裁とかしたりするぐらいなんで、包容力があったかどうかは分からないですけれども…」と冗談交じりに比較した。12年の日本ハムとの日本シリーズで、サインミスした沢村の頭をポカリと叩いたのは有名な話。4年ぶりのリーグ優勝した今季もCSファイナルSで敗れ、“あの12年”を最後に日本一を遠ざかったままだ。数々の修羅場を経験してきた甲斐が、包容力で若い投手陣を引っ張ることを期待した。

 チームだけでなくリーグも変わり、捕手としては、さまざまな対応が求められる。当然、重圧もかかる。特に人気と伝統を誇る巨人について甲斐は「やっぱり勝たないといけないチーム。勝ち続けないといけないチーム」と言い切った。移籍を決断し、坂本、丸、長野、岡本和らに連絡。コミュニケーションを図り、まずは一日でも早くチームに溶け込むことしか考えていない。

 「阿部監督を胴上げするためにまた気持ちを新たに、もう一度野球選手として、ここからスタートすると、そういった気持ち」

 ソフトバンクでは主戦捕手になった17年から4年連続日本シリーズ制覇に貢献。阿部監督の背番号と思いを受け継ぎ、新天地でも日本一の司令塔を志した。(川島 毅洋)

 ▽捕手・阿部の鉄拳 12年の日本ハムとの日本シリーズ第2戦。先発した当時2年目の沢村(現ロッテ)が初回に2死球で2死一、二塁を招き、けん制のサインを見落としたことで阿部がマウンドへ。「しっかりしろ」と大観衆の前で頭をポカリと叩いた。平常心を取り戻して窮地を脱して8回無失点。1―0で競り勝った。シリーズも4勝2敗で制し、3年ぶりの日本一。

 ▼巨人・吉村禎章編成本部長(昨年WBCで打撃コーチとして甲斐とともに世界一)世界を相手にしてもどっしりとした存在感、周りを見る冷静さ、いろいろなところを見させてもらった。(5年の大型契約は)最大限の評価以上に期待ですね。

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