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【箱根駅伝】東洋大・石田洸介 競技離脱乗り越え再起懸ける

スポニチアネックス / 2024年12月28日 4時48分

再起を懸ける東洋大・石田

 【箱根駅伝 栄光を継ぐ者(2)】前回4位の東洋大に再起を懸けるランナーがいる。前々回の23年2区19位に終わった石田洸介(4年)は一度、競技を離れた経験を持つ。最後の箱根路に向け「4年間、苦しいことの方が多かった。最後は諦めない走りをして支えられた方々に恩返しがしたい」と話す。

 中高時代はトラックで世代別の日本記録をマークし、鳴り物入りで入学。1年目は出雲5区、全日本4区で区間賞を獲得したが、箱根は出場できず。初出走の2年目もふがいない走りに終わった。「大学の伝統をつながないといけない、こういう走りをしないといけないという考えになり、逆にそれが自分を苦しめてしまった」。箱根がトラウマとなり絶不調に陥った。

 3年となった昨年5月、家族や酒井俊幸監督(48)と話し合った上で競技から離れることを決断した。福岡の実家に帰省し、静かに自らと向き合った。周囲からは世代別のスター選手として見られ続け「こうしなければならないという義務的な考え」に凝り固まっていたが「こういう走りをしたいと願望的な考え方をする方が楽。自分軸が見えてきた」と気づいた。

 空白の4カ月を経て、走る楽しさを取り戻した。前回箱根は欠場したが、日々競い合う同期の力走が「競技の原動力になっている」と明かす。5月の関東学生対校選手権1部では1万メートル28分8秒29の自己新で6位入賞。11月の全日本で3大駅伝に復帰。6区21位ながら、石田にとっては大きな一歩だった。

 継続中で最長記録の20年連続シード権獲得が懸かる東洋大は、上位進出を狙う。「自分が後続に勇気を与える走りをすれば流れは変わる」と石田。全ての経験を自信に変え、鉄紺のたすきをつなぐ。

 ◇石田 洸介(いしだ・こうすけ)2002年(平14)8月21日生まれ、福岡県遠賀町出身の22歳。福岡・浅川中時代に1500、3000メートルの中学日本記録をマークし、群馬・東農大二高でも5000メートル日本高校記録を更新。5000メートル自己記録は高3で出した13分34秒74。ハーフマラソンは1時間3分9秒。卒業後は実業団のスバルで競技継続。1メートル72、58キロ。

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