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時代を動かした野茂英雄と大谷翔平 30年の時を越えドジャースで巻き起こした熱狂

スポニチアネックス / 2024年12月28日 8時3分

ドジャース時代の野茂英雄

 来年は2025年。パイオニアと称される野茂英雄投手がドジャースに移籍してから30年になる。それまで日本人大リーガーはマッシーこと村上雅則投手(ジャイアンツ)の1人だけ。「野茂以前」と「野茂以後」で時代は様変わりしたが、30年前には現在のように多くの日本選手が活躍するシーンは想像すらつかなかった。

 1995年2月。記者はフロリダ州中部の大西洋岸の街・ベロビーチにいた。野茂の所属していたド軍のキャンプ地・ドジャータウン。日本からの報道陣は10人弱いたが、右も左も分からなかった。ベロビーチは本当に小さな街で、中華はあったが日本食レストランはない。記者陣みんなで車に相乗りし、約2時間半かけてオーランドまで食事に行ったりした。その日本食レストランで、プロゴルファーのジャンボ尾崎に会ったりした。

 野茂の入団で突然、大勢の日本人記者がやってきて、受け入れるド軍球団側も戸惑ったはず。キャンプ地での昼食。米国の担当記者は食堂に入っていたが、日本からの報道陣は別室に段ボールが置かれ、その中にリンゴとサンドイッチが入っていた。別に差別されたとは思わなかったが、一部の米記者が球団に抗議。食堂に入れるようになった。ちなみに当時のロサンゼルス・タイムズ紙のビートライター(担当記者)はボブ・ナイチンゲール氏。現在はUSAトゥデー紙に所属し、SNSでの情報発信などで日本のファンにもおなじみだろう。

 当時、大リーグは前年から続く長期のストライキ中。野茂も開幕はマイナーで迎える見込みだったが、4月2日にストが解除され、約1カ月遅れでの開幕が決まった。キャンプもメジャーリーガーが集まって「再スタート」となり、記者は約2カ月半もの長期間、ベロビーチに滞在。日本で起こった地下鉄サリン事件も、現地から会社への電話で知った。

 野茂は5月2日、サンフランシスコのジャイアンツ戦でメジャーデビュー。その年13勝を挙げて新人王に輝く活躍で旋風を巻き起こし、ストでファン離れが起こった大リーグの救世主となった。あれから30年。今は同じド軍で大谷翔平が世界的なヒーローになっている。来年3月には日本で開幕戦も開催。まさに時代が大きく動いた30年だったと思う。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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