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【高校ラグビー】近大和歌山 初出場から11年目、11月11日生まれ背番11のWTB伊藤吏が躍動

スポニチアネックス / 2024年12月29日 6時3分

<近大和歌山・坂出第一>前半、先制トライを挙げた伊藤吏(中央)は仲間から祝福される(撮影・井垣 忠夫)

 ◇全国高校ラグビー大会1回戦 近大和歌山29―7坂出第一(2024年12月28日 花園ラグビー場)

 近大和歌山が坂出第一(香川)を29―7で下し、出場6度目で待望の大会初勝利を挙げた。WTB伊藤吏雄(りお、1年)が先制を含む2トライの活躍。県勢9大会ぶりの2回戦進出へ導いた。

 近大和歌山が6度目の正直で、部の歴史に輝かしい1ページを記した。同じく初勝利を目指した坂出第一を下し、待望の花園初勝利だ。「(ここまで)長かった。この1年間、全国で1勝するために取り組んできたので。特別なものがあった」。14年度の初出場から11年目。同校OBで就任17年目の田中大仁監督(41)は勝利の余韻に浸った。

 3年生3人の若いチームで、勝利の立役者になったのが“1並び”の1年生、WTB伊藤吏だ。前半9分、スクラムから展開されたボールを受けて左隅に先制トライ。同17分には左隅から巧みなステップで相手2人をかわし、再びインゴールに飛び込んだ。鮮やかな先制パンチ。11月11日生まれの背番号11は「1勝に向けてやってきた。この舞台で思い切りやるしかないと思っていた」と2トライに胸を張った。

 かつて近鉄(現リーグワン2部・花園)でWTBとしてプレーした真一さん(43)を父に持ち、小学1年で競技を始めた。中学ではバレーボール部に所属していたが、元チームメートの楽しそうにプレーする姿を見て、再び楕円(だえん)球を追うようになった。文武両道を志して一般入試で入学し、自宅のある大阪府和泉市から片道1時間半かけて通学。練習を重ね、父と同じWTBとして聖地に立った。

 和歌山代表としては15年度の和歌山工以来、実に9大会ぶりとなる2回戦進出。だが、今大会の白星を含めて過去通算7勝の県勢で、3回戦に進んだチームは一つもない。「この大会で元日を迎えたい」と伊藤吏。倉敷との一戦でも力を尽くし、県勢にとって悲願の年越しを目指す。 (西海 康平)

 ◇伊藤 吏雄(いとう・りお)2008年(平20)11月11日生まれ、大阪府池田市出身の16歳。小学1年から堺RSでラグビーを始め、中学ではバレーボール部に所属。中学3年の終わりから堺RSに戻り、郷荘中から近大和歌山に進学。50メートル走6秒7。1メートル70、63キロ。WTB。

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