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【惜別球人】楽天・吉川雄大 「夢のような」3年間 19年に他界した祖父に報告を

スポニチアネックス / 2024年12月30日 5時31分

引退する楽天・吉川

 巨人とソフトバンクがともに4年ぶりのリーグ優勝を飾り、3位から成り上がったDeNAが26年ぶりの日本一を達成した2024年。ばら色のオフを過ごす選手がいる一方、多くの選手がユニホームを脱いで再出発する。去りゆく選手を2回に分けて紹介する年末恒例の「惜別球人」。第2回はパ・リーグ編、吉川雄大投手。

 決して長いとは言えない3年間のプロ生活を、吉川は「本当に夢のような時間。充実した素晴らしい日々だった」とすがすがしい表情で振り返った。22年8月12日の西武戦で9回にプロ初登板。さほど緊張はせず「こんなに大勢の前で自分が投げているんだ」という思いをかみしめ、1回無失点に抑えた。

 野球を始めたきっかけは母方の祖父・福本由伸さんだった。両親が共働きだった幼少期に練習の送迎をしてくれ、「プロになって契約金をもらったら500万円あげるよ」と約束した。社会人1年目の19年に他界。プロの舞台で勇姿を見せることはできず、「お墓参りに行った時に“3年間頑張ったよ”って、ゆっくり話したい」とうなずいた。

 引退を報告した恩師、広陵高の中井哲之監督(62)には「3年で終わったからといって恥じることなく、プロに行ったからといって鼻を伸ばすのでもなく、謙虚な心を持っていなさい」と背中を押され、「グッとくるものがありました」と胸に響いた。母校の後輩で楽天に入団する宗山には「一緒に野球したかった。ケガだけしないでやってくれれば」とエールを送った。今後は故郷の広島に帰り、建設業を主とする実家の事業を手伝いながら第二の人生を歩む。(花里 雄太)

 ◆吉川 雄大(よしかわ・かずき)1996年(平8)12月12日生まれ、広島県出身の28歳。広陵(広島)では3年夏の甲子園にエースとして出場し、三重との1回戦では延長11回165球を完投して惜敗。東海大を経てJFE西日本では1年目に都市対抗に出場。21年ドラフト7位で楽天入団。1メートル67、80キロ。右投げ右打ち。

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