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8回TKOで世界挑戦権獲得の堤駿斗、自身に「合格点」 5回に倒しにいかなかったワケは…

スポニチアネックス / 2024年12月31日 21時52分

<WBA世界Sフェザー級挑戦者決定戦 堤駿斗vレネ・アルバラード> 8回、アルバラード(右)からTKO勝ちし喜ぶ堤(撮影・村上 大輔) 

 ◇プロボクシングWBA世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦10回戦 ○同級9位 堤駿斗(志成)<TKO8回>同級14位 レネ・アルバラード(ニカラグア)●(2024年12月31日 東京・大田区総合体育館)

 プロボクシングのWBA世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦が行われ、アマ13冠で同級9位の堤駿斗(25=志成)が元WBA同級王者で同級14位のレネ・アルバラード(35=ニカラグア)に8回1分55秒TKO勝ちした。序盤からスピードで勝って多彩にパンチを打ち分け、8回の猛攻でレフェリーストップ勝ち。前東洋太平洋フェザー級王者の堤はプロデビューから6戦全勝(3KO)を飾り、世界初挑戦へ大きく前進した。

 試合後の会見に姿を見せた堤は、右目上にバッティングによる傷がついていた。それ以外は、佐々木修平トレーナーが「やりたいことは全部できた」と認める完勝。「自分自身、合格点をあげてもいいのかな。もっとできるという悔しさはちょっとあったけど」。途中で被弾する場面もあり、「一発ももらわずに最後の展開に持っていくのが自分の理想。自分の実力は自分で評価しているので」と振り返った。

 5回にロープ際へ追い込んだ場面はKOを予感させたが、堤は慌てなかった。「正直、まだフィニッシュしなくていいや、と。アルバラード選手のタフさを知っていたので、ここで自分が(力を)使っちゃうと、後半にもたついて判定の流れになってしまうかもしれない。絶対もう1回チャンスは来るので焦らず待とうと」。顔面に集中していたパンチをもう一度ボディーへも散らし、相手を削る作戦に立ち返った。

 8回には右ストレート2発で猛攻の口火を切り、最後はスパーリングから手応えを得ていた左フックからメッタ打ちにしてフィニッシュ。ジム先輩の前WBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(35=志成)の試合が現王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)のインフルエンザ感染で中止となった興行を、「どうにか自分が倒してすっきり終えたかったので(8回は)ここだ、というのはあった」と明かし、「冷静なヤツが一番強いなとプロになって思い知らされた」と試合運びを振り返った。

 前日計量では金髪だったが、この日はコーンロウにヘアスタイルをチェンジ。「髪の毛が長かったので、絶対に試合中に意識しますし、(相手パンチで髪がなびくと)もらってるとジャッジから見えるんじゃないかと」と勝利にこだわった理由を口にした。

 WBA世界スーパーフェザー級王者のラモント・ローチ(米国)はタイトルを持ったまま、3月1日に1階級上のWBA世界ライト級王者ジャーボンテ・デービス(米国)への挑戦が決まっており、勝敗次第で堤の世界挑戦も左右される。デービスは30戦全勝(28KO)の“怪物”で、堤は「ローチはどう勝つんだろう、どこまでやれるのかと楽しみはある」と話した上で、挑戦者に決まれば受ける意志を表明。「世界挑戦する機会はなかなか来ないと思う」と説明した。

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