【新春サントリー対談 ラグビー・下川甲嗣×バレーボール・高橋藍（2）】W杯、五輪へ、ステップの一年に

＜サントリー高橋藍×下川甲嗣対談　＞ともに活躍を誓い合った（左から）高橋藍、下川甲嗣（撮影・岸　良祐）　

　　（1）からつづく

　――お互いにサントリー所属。サントリーの雰囲気は？

　甲嗣　昨シーズンまでの3年間、社業とラグビー選手の二足のわらじだった。オフィスに出社した時も、同じ部署だけでなく他の部署の方からも試合やチーム状態のことなどを聞かれて、本当に気にかけてもらっていた。会社として応援してくれていると感じるし、感謝しかないです。

　藍　チーム自体は凄く仲が良くて、選手やスタッフが常にコミュニケーションを取れる良い環境にある。それが強さにつながっているなと感じるし、自分自身もサントリーに加入してからオフィスにも行って、あいさつをさせてもらった。その時に、本当に家族のように迎えてもらった。大きな企業で、自分も世界に向けてトッププレーヤーになっていきたい思いが強い。それをサポートしてもらえる力があるなというのを感じている。選手を大事にしてくれる良い会社だと思います。

　――初対面で、お互いに聞いてみたいことは？

　甲嗣　いっぱいある。いっぱいあり過ぎて、何から聞いたらいいのか。サンバーズの選手はこのあたり（大阪）に住んでいるんですか？

　藍　だいたい、この辺ですね。社員の方は寮だったりで、プロの選手は1人暮らしや家族と暮らしている感じです。

　甲嗣　藍選手はどんなところに住んでいるんですか？

　藍　普通のところに住んでいますよ。そこそこ広くて、部屋は持て余しています（笑い）。

　――下川選手は？

　甲嗣　僕は1LDKの狭いところです（笑い）。

　藍　生活できれば十分ですよね。

　甲嗣　そうっす。

　藍　僕は、食事がどんな感じなのかを聞いてみたい。

　甲嗣　人によるけど、シーズン中や試合があるときは栄養を考えて、ハードな練習があるときは炭水化物を多く取って。個人的に、僕は体重がすぐに減っちゃうので、量を食べないといけない。試合に勝った時とかは、チームでリラックスしてビールを飲んだりとか。遠征から新幹線で帰るときとかに、プレミアムモルツを買って車内で乾杯したりしていて、その文化は良いなと。

　藍　食べる量は全然、違うと思う。アスリートなので、自分も食べる量は多い方だと思うし、体重が減っちゃうタイプなので多めに取るけど。たぶん食べている量が全然違う。体をゴツくするためにプロテインとかにも気を使っているんですか？

　甲嗣　体を大きくするのもそうだし、僕自身は維持するのが大変なので。空腹をつくらないようにしたり、プロテインを取ったりしています。藍選手はどんな感じですか？

　藍　食事を取りすぎても良くないし、栄養士の方もいるので、何を多めに取ればいいかなどを相談して。自分も体重が減りやすいので、シーズンが続いていくと1キロや2キロは普通に減ったりする。試合後にすぐ補食などで体重を維持しています。

　――食事面のサポートというところで、それぞれ結婚願望はありますか？

　甲嗣　あります、あります。

　藍　自分ももちろん、ありますね。でも（食事は）自分でつくれるようになっておかないと、というのはあります（笑い）。

　――それぞれリラックス法や趣味は？

　甲嗣　22年のお正月にカメラを買って、風景を撮ったりしています。

　藍　最近はサウナにはまっていて。海外だとあまりないけど、日本だといくらでもあるので。あとはドライブが好きなので、音楽をかけてドライブをしたり、おいしいものを食べに行ったり。本当に、何も特徴がないんですけど（笑い）。最近は明石に行って、明石焼きを食べたりしました。

　――最後に、新たな一年の抱負を聞かせてください。

　甲嗣　自分自身、日本代表に定着しているとは思っていないし、まだまだ足りないところが多いと感じている。まずは今シーズン、サンゴリアスの掲げるリーグワン優勝という目標に対し、一試合でも多くピッチに立って貢献する。チームの勝利に貢献することが、日本代表に選ばれたり、次のW杯につながってくる。自分のパフォーマンスで優勝に貢献したいです。

　藍　まずはサントリーサンバーズとして、SVリーグで初代王者を目指したい。日本代表では、昨年は五輪で凄く悔しい思いをして、目標を達成できなかった。まずは選ばれるためにも自分自身を強くして、足りないところを補っていく。代表に選ばれたなら、25年は次のロス五輪に向けて凄く重要な一年になる。これまでと変わらず、自分自身が強くなるために何が必要かを求めながら1年間、頑張っていきたいです。

　＝終わり＝

　◇下川　甲嗣（しもかわ・かんじ）1999年（平11）1月17日生まれ、福岡県出身の25歳。5歳の時に草ケ江ヤングラガーズでラグビーを始める。修猷館、早大を経て21年にサントリー（現東京SG）入り。22年10月のニュージーランド戦で日本代表デビューし、通算14キャップ。プロ野球・ソフトバンクの大ファンで、夢はみずほペイペイドームでの始球式。1メートル88、105キロ。フランカー。

　◇高橋　藍（たかはし・らん）2001年（平13）9月2日生まれ、京都市出身の23歳。6歳の時、兄・塁（サントリー）の影響でバレーボールを始める。東山、日体大卒。東山3年時に春高バレーで優勝。日体大在学中の21年にイタリア1部パドバ加入。23年モンツァ移籍。24年からサントリー所属。20年日本代表初選出。21年東京五輪、24年パリ五輪8強。1メートル88、83キロ。アウトサイドヒッター。