【新春対談 オリ・岸田監督×T―岡田氏(2)】公約は「ファンの方に全力が伝わるようにやっていきたい」

＜オリックス・岸田監督×T－岡田氏対談＞固く握手をかわす岸田監督（右）とTー岡田氏

　(1)からつづく

　T　レギュラークラスの選手が、当たり前のことをしっかりできれば、絶対にいい勝負になると思います。頓宮やラオウ（杉本）や（若月）健矢といった生え抜きの選手がチームの先頭に立つ。そこに（森）友哉と（西川）龍馬が両サイドから支えるような形が見られたらいいなと思うのですが。

　岸田　その通りだと思う。誰がチームリーダーで、誰が盛り上げ役で、誰がカバーできるか。役割分担が大切になる。名前が出た実績のある選手たちは、やってくれると思っている。

　T　プレーをするのは選手。監督が“どの選手を使ったらいいんだ”と迷うくらい、選手には成績を残してほしいですよね。岸田監督は周りからの信頼が選手、コーチ時代から凄く厚い。だから大丈夫だと思っています。今シーズンの公約を教えてください。

　岸田　病気せず、ユニホームを着続ける。（体が）壊れるかもしれないから…。そういう公約じゃなくて（笑い）？

　T　はい。違います（笑い）。野球の公約です。

　岸田　どんなことでも最後まで絶対に諦めないこと。そして選手たちには、全力でパフォーマンスを続けることを促していきたい。選手たちは個人の成績によってメンタルの浮き沈みも出てくると思う。沈んだ時には鼓舞する。ファンの方に全力が伝わるように年間を通してチーム全体でやっていきたい。一番求められているのは全力ということだと思う。

　T　本当に大事ですよね。

　岸田　Tには評論家として外から野球を見てもらって、“こうなっていますよ”という言葉をいろいろ聞きたいね。いろんなものを外から見て、吸収して、近い将来、バージョンアップしたTの姿を見ることが楽しみだよ。どんな面白いコメントを発信してくれるのか、楽しみだ。

　T　チームの勝利と、監督、選手の活躍を心から願っています。

　岸田　全力で頑張ります。

　＝終わり＝

　◇岸田　護（きしだ・まもる）1981年（昭56）5月10日生まれ、大阪府出身の43歳。履正社では1年夏に甲子園出場も登板機会なし。東北福祉大、NTT西日本を経て05年大学生・社会人ドラフト3巡目でオリックス入り。09年は先発で10勝。10年から救援に転向し、11年はリーグ2位の33セーブ。19年引退。通算433試合で44勝30敗63セーブ、63ホールド、防御率2.99。20年から昨季までオリックス投手コーチ。1メートル80、78キロ。右投げ右打ち。

　◇T―岡田（てぃーおかだ、本名岡田貴弘＝おかだ・たかひろ）1988年（昭63）2月9日生まれ、大阪府出身の36歳。履正社では高校通算55本塁打も甲子園出場なし。05年高校生ドラフト1巡目でオリックス入団。登録名を「T―岡田」に変更した10年に33本塁打で初タイトルを獲得し外野手のベストナイン。14年は一塁手でゴールデングラブ賞。20年9月26日の日本ハム戦でプロ野球史上12人目の全打順本塁打を達成。21年は17本塁打、63打点でチーム25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。1メートル87、100キロ。左投げ左打ち。