【大学選手権】早大 5大会ぶり日本一へ王手 佐藤主将「優勝か準優勝かは雲泥の差」

＜準決勝　早大・京産大＞前半、早大・佐藤（左）はトライを決め喜ぶ（撮影・沢田　明徳）

　◇ラグビー全国大学選手権準決勝　早大31－19京産大（2025年1月2日　国立競技場）

　早大が京産大を31―19で下して5大会ぶりの日本一へ王手をかけた。HO佐藤健次主将（4年）らFW陣がスクラムで圧倒。前回大会の準々決勝で敗れた因縁の相手に雪辱を果たした。4連覇を狙う帝京大は明大に34―26で勝利。一昨年と同じ顔合わせとなる決勝は、13日に秩父宮ラグビー場で行われる。

　フィジカルバトルを制した早大が試合を支配した。前半7分、スクラムで相手の反則を誘発するとラインアウトからの連続攻撃でLO栗田が先制トライ。同24分にもラインアウトから佐藤主将がトライを決めるなど、FW陣が攻撃の中心となり5連続トライで一気に突き放した。

　前回大会は準々決勝で京産大の強みでもあるスクラムに押され、完敗。新チームではフィジカル面の強化に力を入れてきた。大学選手権を控えた昨年12月初旬、トレーニングルームの壁に京産大に敗れて号泣している写真が貼られた。雪辱の舞台を前に、もう一度悔しい気持ちを思い出して自らを奮い立たせた。

　この試合に向けて掲げたテーマは「リゲイン・プライド（プライドを取り戻す）」。佐藤主将は「やり返したい気持ちはずっとあった。去年の4年生のおかげで今日の勝利がある。フィジカルバトルで負けなかったのは大きい」と胸を張った。大田尾竜彦監督（42）も「スクラムで組み勝った。ディフェンスも非常に良かった」と評価。敗戦で得た課題をしっかり克服し、プライドも取り戻した。

　決勝の相手は、3連覇中の帝京大。今季は夏の練習試合と対抗戦でともに勝っているが、佐藤は「過去2戦は関係ない。チャレンジャー精神を忘れずに」と王者に挑む姿勢を強調した。そして大学最後の試合へ、「優勝か準優勝かは雲泥の差。優勝以外は一緒」と闘志を高めた。早稲田のプライドを胸に、日本一に輝いて「荒ぶる」を歌う姿だけを思い描いている。（前川　晋作）

【京産大　4大会連続で準決の壁】

　京産大は、4大会連続11度目の準決勝でまたも敗れ、初の決勝進出を逃した。序盤から自慢のスクラムで反則を連発。関西トライ王のNo・8ポルテレは前日の練習で左太腿裏肉離れを発症し、強行出場しながらノートライに終わった。スコア以上の完敗に、元日本代表の広瀬佳司監督は「立ち上がりからプレッシャーをかけられて反則とミスを繰り返して、ことごとくトライにつなげられた」と敗因を口にした。