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【内田雅也の追球】美しい甲子園の初日の出に思う…阪神創設90周年の今年もファンと歩む日々であれ

スポニチアネックス / 2025年1月3日 8時1分

初日の出を迎える甲子園球場(1日午前7時13分撮影)

 甲子園球場に昇る朝日は美しい。初日の出となるとなおさらである。

 2025年元日。今年も御来光を拝んだ。午前7時13分、戦前は東アルプスと呼んだ三塁側アルプススタンド後方から強い黄金色の光が差し込んできた。しめ飾りが立てられたマウンドを照らす。球場内は淑気(しゅくき)に満ちていた。

 今年、阪神は球団創設90周年の節目を迎える。歴史を振り返り、伝統を築いてきた先人を思う。そして未来への希望を新たにする。そんな1年でありたい。

 「長い風雪の時代を耐えて今があるのです」と元球団社長・三好一彦が語っていた。年末の会合で会ったが、94歳の現在もバットの素振りを行うなど壮健である。

 1935(昭和10)年12月の創設から球団は毎年、赤字決算だった。初めて黒字を計上したのは諸説あるが、69(昭和44)年とも74(昭和49)年とも言われる。

 その間、選手たちは人びとに認めてもらおうと懸命にプレーしてきた。創設当初、人気の東京六大学野球と比べ、「商売人の野球」などと揶揄(やゆ)されたプロ野球の地位向上に努めてきた。「ミスター・タイガース」藤村富美男は生前「誰のためでもない。ファンのためにやる。それが猛虎魂を形作った」と語っていた。

 90周年を記念して、球団はさまざまなイベントを計画している。ファンもそれぞれの思い出を胸に甲子園に集うことだろう。先に90周年を迎え、多彩なイベントや、長嶋茂雄や王貞治らOBを招いた昨年の巨人に負けられない。もちろん、巨人同様に優勝で節目のシーズンを祝いたい。

 2日は1950~70年代、大リーグ3球団でオーナーを務めたビル・ベックの命日だった。86年に鬼籍に入っている。

 観客第一に努めた経営者だった。シカゴ・リグリーフィールドに名物となる蔦(つた)をはわせた。球場内に託児所を設け、保育士も雇った。女性トイレを清潔に保った。年間予約席を発案し、ユニホームの背に初めて名前を入れた。

 「地球上で最も美しい光景は観衆で埋まった野球場だ」との名言を残している。

 甲子園は美しい。今や連日満員である。今までも、これからもファンとともに歩む日々でありたい。 =敬称略= (編集委員)

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