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【箱根駅伝】青学大連覇 「転がり落ちろ!」下りにも山の神 「夢物語」の56分台で野村がけん引

スポニチアネックス / 2025年1月4日 4時52分

<箱根駅伝・復路ゴール>笑顔で小河原を迎える原監督ら青学大の選手ら(撮影・白鳥 佳樹)

 ◇第101回東京箱根間往復大学駅伝・復路(2025年1月3日 神奈川・箱根町~東京・大手町の5区間109・6キロ)

 往路優勝の青学大が復路2位の5時間21分18秒で逃げ切り、10時間41分19秒の大会新記録で2年連続8度目の総合優勝を飾った。山下りの6区で野村昭夢(4年)が56分47秒という驚異的な区間新記録をマークして区間賞を獲得。往路5区で新記録を樹立した若林宏樹(4年)に続く快走を見せた。同一校による5、6区の同時区間新は83年の日体大以来42年ぶりで箱根の山を完全制圧。野村は初代MVPと金栗四三杯を同時受賞した。原晋監督(57)が発令した「あいたいね大作戦」は最高の結果を残し、完結した。

 次の100年もきっと受け継がれるだろう。「山を制する者が箱根を制す」。青学大には、山下りにも「神」がいた。野村が6区で史上初の56分台をマークし、独走態勢を固めた。「平地に関しては青学が少し劣っている部分があった。山決戦になると考えていた」と話す。標高差約800メートルを一気に下るコースを攻略。これがピクニックランの始まりだった。

 序盤の上りからハイペースを刻み、跳ぶような走りで急坂を駆け降りた。館沢亨次(東海大)が持つ区間記録を30秒も更新した。チーム発足時に目標に掲げたのが「56分台」だった。「その時は夢物語だったけど継続的に練習できたことが結果に結びついた」。2位に4分近い差をつける異次元の走り。原監督も「箱根は山。ずっと(青学大に)いてほしい」とおどけながら称賛した。

 金栗四三杯、さらに今回新設された初代MVPにも選ばれた。レース前には5区区間新の若林から「転がり落ちろ!」とシューズに書き込まれた。野村は「苦しい時に下を向いて頑張りました」と笑った。5、6区で同一校から同時区間新が生まれたのは42年ぶりの快挙。仲間たちの思いも胸に快走した。

 強さの秘訣(ひけつ)のチームワークは衝突を経て磨かれたものだ。最上級生は実力者ぞろいで「とがっている」と田中主将も頭を抱えるほど。一体感を高めるため、通常月2、3回のミーティングを11月から毎週欠かさず実施した。アップを怠るなど主力メンバーにおごりが出るとすぐに指摘し合った。「出走することがゴールではなく勝つところをイメージしよう」と声を掛け続けた。

 往路優勝した2日の夜だった。卒業後は福井放送のアナウンサー職に内定している田中主将は全員のグループLINEに実況口調で動画を投稿した。「往路優勝を果たした青山学院大学、明日の復路も2年連続総合優勝を目指します!」。そして「最後の最後まで気を抜かず、選手、サポートみんなで優勝をつかみ取ろう」と力説した。野村が復路の流れをつくり、全員で勝ち取った総合V。「あいたいね大作戦」が、101回目の箱根路で大団円を迎えた。 (坂本 寛人)

 ◇野村 昭夢(のむら・あきむ)2002年(平14)11月10日生まれ、鹿児島県志布志市出身の22歳。鹿児島城西高出身。自己ベストは5000メートルが13分33秒88、1万メートルが29分39秒23。兄・峻哉さん(29)は東洋大3年時の17年の箱根9区で区間賞を獲得している。愛称は「ノムさん」、「あっきー」。文学部史学科に在籍。1メートル68、54キロ。

 ▽金栗四三杯とMVP 金栗四三杯は全チームの出走選手(連合チームを除く)から1人選出。今大会での活躍が顕著で今後の活躍が期待できる選手で選考方法は参加大学の監督ら選考委員による投票。今回から新設された大会MVPは総合優勝のチームから最も貢献した1人が選出される。選考方法は選考委員による審議となる。

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