ヘビ年の今年こそツチノコを!映画「おらが村のツチノコ騒動記」監督・今井友樹さん
スポニチアネックス / 2025年1月6日 6時2分
ヘビ年の今年こそ!と“幻の怪蛇”ツチノコ発見に燃える男がいる。目撃報告の多い岐阜県東白川村出身の映画監督、今井友樹さん(45)だ。地域の自然や暮らしを描く作品を撮り続ける中で、9年にわたるツチノコ追跡を収めた映画「おらが村のツチノコ騒動記」が昨年完成。近年は目撃情報も減っているが「そろそろ姿を見せてくれる」と期待している。
ツチノコは日本の未確認生物(UMA)の代表格。胴体の太いヘビのような生物として各地に言い伝えが残っている。大きさはビール瓶程度とも言われる。1970年代以降はメディアにも取り上げられ、一大ブームとなった。中でも注目を集めたのが東白川村。目撃例が多いだけでなく、ヘビ年の89年(平元)から毎年5月にツチノコを本気で探す「つちのこフェスタ」をスタート。昨年も村の人口を上回る2200人が集まって捜索が行われた。そんな村で生まれたのが今井さん。今年は見つかる可能性が高まってるという。
「林業従事者の高齢化に加え、コロナ禍を経て山や里山に入る人が減ったことでクマの出没が増えたと言われますが、同じことがツチノコにも言えそうです。ヘビ年で注目する人も増えているのもプラス要因。“もしかしてあれはツチノコ?”と結びつける人も増えたら、今年こそ発見ということになるかもしれない」
自身も10歳の頃、ツチノコらしき生物を目撃している。
「学校行事で地元の山を登った帰り道でした。友人たちと斜面の石を土からはがして遊んでいたら、20~25センチくらい…メガネケースのような形というか、横長のヌメッとした灰色の何かが出てきた。木の棒で突付くと動き出し、自分の足元にゴロゴロと転がり落ちてきた。怖くて逃げてしまった」
親族からツチノコが転がるように動くとは聞いていたが、いざ目の当たりにすると、ただただ怖かった。
「なぜ捕まえなかったんですかね。今思うともったいないですが、僕も子供でしたし、恐怖しかなかった」
捕獲例こそないものの、村では身近な存在だったツチノコ。だが高校進学を機に村を離れると、空気感の違いに驚いた。
「ツチノコの話をしても、冷めた目で見られているように感じた。中には“存在しない生物をでっち上げて金儲けするウソつき村”と言う人もいた」
徐々に目撃談も減り、21世紀を迎えるころにはブームは収束。今井さんも周囲にツチノコの話をしなくなっていた。嫌悪に似た感情もあったようだ。そんな心境に変化が起きたのは、映画監督を目指して上京し、主にドキュメンタリー映画を撮るようになってからのこと。2014年に文化庁の文化記録映画優秀賞を受賞したドキュメンタリー映画「鳥の道を越えて」を撮影した2010年ごろのことだった。
「東白川村の男性を取材し、その方の家の縁側で世間話をしていた時のことです。かつては棚田が広がっていた風景を思い出し、耕地整理で石垣が壊されていった頃のことをお話してくれました。1990年代のことです。“ツチノコの目撃例が多発したのも同じ頃。すみかの石垣を壊されて追い出されたからじゃないかなあ。それ以後、見られなくなった”と、ツチノコがいたのは当然という前提で話すんです」
村でも信頼される人柄の男性のまじめな語り口に、嘘は感じられなかった。そして自身が大切なことを見失っているように思えた。
「僕もそれらしき生物を見ているのに、周囲の空気にのまれて何も言えなくなり、いないと思うようになっていた。自然破壊というテーマと同時に、そういう心のあり方を問う映画ができるのではないかと思った」
それから全国でツチノコを探しながら、10県40カ所で目撃者10人を含む60人の証言を得て、映画の完成にこぎつけた。
「皆さんの証言はリアルだし、少なくともウソを話してはいないと思います。それに楽しそうなんですよね。少し違う話になりますが、僕は以前に山で“鬼の頭骨”を発見しました。いや、ツノが生えていて、鬼じゃないかと思えたんです。調べたらカモシカの頭骨でしたけど(笑い)。でも、そんな風に思える想像力が自分にあると確認できたのはうれしかったです。そういう心が大切なんじゃないですかね」
言うまでもなく、ツチノコの存在は確認されていない。だが、否定もされていない。今井さんは、かつて“ツチノコかもしれない生物”を目ていながら、ツチノコの存在を否定してきた自分の変化を楽しむように笑った。
「ツチノコ、いると思いますよ。マムシがカエルや野ネズミを飲み込んだなどの説も説得力はありますし、トカゲの一種に似た姿のものがあるとも言われます。そうかもしれないと思うこともありますけどね。それだけで証明できない部分があると感じています」
ヘビ年の大発見を楽しみにしている。
○…「おらが村のツチノコ騒動記」は昨年5月から、東京・ポレポレ東中野などで上映。現在、今井さんが代表を務める「工房ギャレット」のホームページで自主上映の相談に応じている。
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