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【新春インタビュー 広島・床田(1)】2025年は「超」える一年に 成績で若手選手も引っ張る

スポニチアネックス / 2025年1月6日 5時46分

インタビューに臨んだ広島・床田(撮影・岸 良祐) 

 広島・床田寛樹投手(29)が本紙の新春インタビューに応じ、2025年の漢字に「超」を選んだ。成績で(1)背番号「19」を受け継ぐ野村祐輔氏(3軍投手コーチ兼アナリスト)を超える(2)過去の自分を超える(3)大瀬良大地、森下暢仁両投手を超える――。初の開幕投手にも意欲を示す左のエースは「成績でチームを引っ張っていきたい」と言葉に力を込めた。(取材・構成 江尾 卓也)

 ――「超」を今年の漢字に選んだ理由は何ですか?

 「結構ありますよ。まずは背番号が19に変わるので、先輩である野村さんの成績を超える。今までの自分の成績を超える。大瀬良さん、森下よりも勝つ。2人の成績を超えるように…ですね」

 ――成績は年々良くなり、進化していると感じていますか?

 「たまたまだと思いますよ。もっと変えていかないと、大丈夫かな、と思います」

 ――「超」えるために何をもっと変えますか?

 「ここ数年はツーシーム頼り(昨季の投球比率は26・9%。直球29・6%)なので。打者にも、その頭がずっとある。投げていて思うんですよ。真っすぐで空振りを取られないなら、中間球を待って、真っすぐが来たらファウルでいいじゃないですか。絶対に投げるから。それを変えないと多分キツくなる」

 ――配球を変えるということですか?

 「(うなずき)真っすぐ、ツーシーム、カットボールが主体だったんですけど、それ以外の変化球、カーブ、スライダーの割合を増やしたい。決め球に使えたら一番いいんですけどね。それと真っすぐの平均球速(昨季143キロ)を2キロぐらい上げたい。右足首を骨折した(22)年が一番良かったんですよ」

 ――転機があった…と聞かせてもらいました。

 「はい。1軍と2軍を行き来していた5年目(21年)に、ケガで離脱した会沢さんと2軍で1イニングだけ(バッテリーを)組むことがあったんです。その時に“真っすぐ多めでいこう。(打者は)真っすぐを待っているけど、それでファウルが取れる、空振りが取れるぐらいじゃないと、1軍で通用しない”と言われて。で、そこからペース配分を考えずに毎回MAXを狙う感覚で投げたら、抑えられたんです。1軍に上がった最初の阪神戦(8月29日)でも6回無失点で三振10個。思い切り投げてもイニングは投げられる。真っすぐが走っていれば、変化球も勝手に生きてくる。これでいいんだ…と」

 ――ただ当時から年齢を重ね、体つきも変わったと思います。平均球速を上げるには何が必要ですか?

 「全体的な筋力アップですね。ただ、それを投球につなげないと意味がない。いくら筋力を付けても、投げ方に連動させないと球速は上がらない。でも、僕は多分できるんですよ。投球やフォームにつなげ、なじませるのは自信あるんです」

 ――自信の根拠は何ですか?

 「何となく(笑い)。でも、実際にできると思っていますけどね」

 ――開幕投手に初めて名乗りを上げられましたね。

 「やりたくないですよ、本音を言えば。若い時はそれでも、大瀬良さんのような人になりたいと思っていました。みんなの前でしゃべったり、背中で語り…とか。でも、僕には無理だと分かった。だから、僕は僕なりに、悩んでいる若手選手がいたら、ご飯に行って話を聞いてあげたり。表よりも、陰でこっそりやっておきたい」

 ――でも、チームを引っ張る気持ちはあるということですか?

 「それは成績で。成績で引っ張りたいと思っています」

 (2)につづく

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