阪神・森下「一年間4番を全う」藤川監督の「構想」受け堂々宣言「信頼がないとできない打順」
スポニチアネックス / 2025年1月6日 5時16分
阪神・森下翔太外野手(24)が5日、茨城県水戸市内で自主トレを行い、新年の誓いに「一年間4番を全う」を掲げた。昨年11月の「第3回プレミア12」でも全試合4番を務めた若虎。一部で報道された藤川球児監督(44)の「4番構想」を受け、決意を新たにした。前任・大山悠輔内野手(30)との“共存”も思い描き、次代の「虎の顔」を担うべく、巳(み)年に“ヘビー級”の公約を口にした。
24歳の若者にありがちな、新年の浮かれた空気とは無縁だ。柔和な表情とは裏腹に、森下の視線は終始鋭かった。冷気が肌を刺す午前10時に練習を開始。準備運動から下半身強化、ティー打撃、屋外フリー打撃、昼食を挟んで上半身の鍛錬だ。休む間もなくメニューをこなし、トークショーとサイン会を終えてグラウンドを後にしたのは午後5時。“ヘビー級”ターゲットの「年間4番」を全うすべく、とことん体をいじめ抜いた。
「(4番は)チームの核。誰もができるところではない。信頼がないとできない打順。そこを最初に任されたら、一年間戦いたい」
年始早々、一部報道にあった藤川監督の「森下4番構想」に反応した。昨秋の侍ジャパンでも全試合4番を託された男が近未来、虎でも重責を担うことは“既定路線”だったが、そのわずか1カ月後に浮上したプランにも若虎は動じない。「4番が一番プレッシャーがかかる。周囲の期待も(4番で)凄く増える」。日の丸を背負い、世界を相手に戦った経験がここで生きる。奪冠を期す巳年。“先代”の大山と、主砲・佐藤輝とともに、枢軸として猛虎打線をけん引する覚悟を固めた。
「(大山の)負担が分散するような形になれば、凄く(打順の)巡りが良くなる。“大山さんに回せば”ではなく、自分でも大山さんでも輝さんでも“誰かに回せば”と役割分担できれば凄く良い」
今季目標の「打率3割」をクリアすべく、打撃改良にも着手した。中大時から指導を受ける「Rebase(リベース)」の池田則仁代表と「インサイドアウト」の徹底を意識。スイングの際に極力両肩を水平に回すことを念頭に置き、中堅方向への一層強い打球の実現を見据える。「昨年の打撃なら“打率・275、なるほど”という成績。3割を打てるよう進化しないと」。池田代表から「やっていることのレベルは上がっている」と認められつつ「無意識にできるところまで落とし込めるように」と追加課題を出された。打線のド真ん中で一年間戦い抜いてほしいがための親心と言っていい。
「調子が悪いとかで自分はあまり(成績を上下)したくない。やっぱり、3割を目指すって言ったんだから」
漂い始めた4番の風格。新たな虎の顔として君臨し、「森下時代」の幕開けを呼ぶ。(八木 勇磨)
≪全9試合で4番≫▽森下の24年プレミア12 23年のアジアプロ野球チャンピオンシップに続き、プロ入り後2度目の侍ジャパン選出。11月10日チェコとの強化試合第2戦で初めて4番を務め、初回の初打席で左中間へ2ランを放った。本大会では全9試合で4番で先発し、15日の1次ラウンド韓国戦での左中間2ランをはじめ、打率・357、1本塁打、9打点と活躍。13得点で大会最多得点をマークし、外野手のベストナインに選ばれた。
≪トークショーに参加≫
森下は、ともに自主トレを行う中日・上林、オリックスの育成選手で東海大相模の1学年後輩・遠藤とトークショーを行った。300人近いファンを前に、軽妙なトークを披露。今オフのイベント出演で鍛えた話術で、何度も会場を沸かせた。
「好きなビジター球場は?」という質問には「東京ドームと神宮。(狭くて)ホームランが入るから」とニヤリ。「苦手な球種は?」というマニアックな問いには「落ち球。(投手の)左右問わず、チェンジアップとかフォーク」と明かした。
最年長で前ソフトバンクの上林は、好きな遠征地に北海道や仙台を挙げ「食べ物がおいしかった」と回想。前阪神でトークショー初体験の遠藤は、数々の「応援しています!」という声に笑顔を見せ、支配下登録への活力を得た。
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