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松山英樹 開幕戦V 「初めて使った」パター奏功 米ツアー最少スコア35アンダーで11勝目

スポニチアネックス / 2025年1月7日 5時32分

通算35アンダーで優勝し、表彰式でトロフィーを掲げる松山(AP)

 ◇米男子ゴルフツアー ザ・セントリー最終日(2025年1月5日 米ハワイ州 プランテーションC=7596ヤード、パー73)

 単独首位で出た松山英樹(32=LEXUS)が1イーグル、7バーディー、1ボギーの65と伸ばし、通算35アンダーという驚異的なスコアで開幕戦を制した。アジア勢最多の米ツアー優勝回数を更新する通算11勝目で賞金360万ドル(約5億7000万円)を獲得した。通算35アンダーは22年にキャメロン・スミス(オーストラリア)が記録した72ホールでの米ツアー最少スコアを1打更新する新記録。世界ランクは5位に浮上した。

 優勝と歴史的快挙が懸かった最終18番。松山は2メートルのバーディーパットがカップに消える前に確信のガッツポーズを見せた。今大会33個目のバーディーでツアー新記録の通算35アンダーに到達。「記録を出せて良かった。35(アンダー)だったら記録だろうなと思っていた。“そういうことを思っていたら入らないだろうな”と思っていたら入った」。新たな領域へ、踏み出した瞬間だった。

 1打差で出た同組のモリカワを圧倒した。3番では残り107ヤードから56度のウエッジで放った第2打がカップに収まりショットインイーグル。「チャンスについたなと思ったら入った」。口をすぼめ、クールに喜ぶ姿に貫禄がにじむ。8番は6メートル、11番は9メートル、12番は6メートルのパットをねじ込んだ。2打差で迎えた16番は第2打を1メートルにつけ、メジャー2勝の実力者に1度もリードを許さなかった。

 昨年、スイングを組み立てる中でアライメント(ターゲットに対し、クラブと体の位置を整えること)に違和感を覚えた。オフに黒宮幹仁コーチと見直し、ハワイにも早めに入り、細部をすり合わせた。「目指していた23歳の時のフィーリングに近くなった。彼の中でいろんなつじつまがあった感じ」と同コーチ。初日の練習場で松山は「久しぶりにゴルフが楽しくなってきた」とつぶやいたという。米ツアーにその名を刻む快進撃も必然だった。

 長年の課題だったグリーン上も見違えた。2勝を挙げた昨季でさえ、スコアにおけるパットの貢献度は全体121位と低迷。今大会は同3位と上昇した。松山が「手に入れたのはクリスマス前。初めて使った。どうしてか分からないけど入った」と言うセンターシャフトの新パターが世界最高クラスのショット力とかみ合った。

 最終日を単独首位で出れば5戦全勝となった。昨年末には体調を崩し、今も「体調が良くないので(キャディーと)会話もあまりしていない」と話すが、その分、力みも消え、歴史的なバーディー量産につながった。好調が続けば右手のケガで今大会を欠場した世界ランキング1位のシェフラー(米国)打倒も視野に入る。次戦は9日開幕のソニー・オープン。「来週と今週は違う。そのコースに合わせられるようにしたい」。同じハワイを舞台に2週連続優勝を狙う。

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