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国生さゆり 漫画原作デビュー 8日から配信 コロナ禍で書いた小説「新しい一面を見てほしい」と語る

スポニチアネックス / 2025年1月8日 0時1分

漫画原作デビューした国生さゆり(撮影・会津 智海)

 女優の国生さゆり(58)が漫画原作デビューする。執筆した小説がデジタルコミック化されることが決定。8日から電子書籍サービス「DMMブックス」「LINEマンガ」「ebookjapan」で新作縦読み漫画として先行配信される。原作となったのは、ウェブ小説投稿サイト「小説家になろう」で書き続けていた作品で、壮大なスケールの“ミリタリーアクション”だ。小説、漫画に込めた気持ちを聞いた。(鈴木美香)

 小説を執筆したきっかけはコロナ禍だった。「いきなり人とのコミュニケーションがなくなったり、仕事がキャンセルになったりして、当時は自分と向き合う時間が増えていました。先行きも、未来のビジョンも見えなくなって、社会も“陰”の方向に傾きがちで。内向きな時間を過ごしているうちに、もともと構想が浮かんでいた物語のビジョンがあったので、これを台本や小説にできたらいいなと思うようになりました」

 マネジャーに相談したところ「要点をまとめて見せてほしい」と言われたため、スマートフォンのメモアプリに書き始めた後、公開されるとは思わずに、データを保存するつもりで本名の「國生さゆり」名義で小説サイトに投稿を始めた。「書き始めたら面白くて」と書き進めていくうちに、3章計212話、原稿用紙にすると1700枚の超大作が完成。ファンの間で徐々に話題となり、これを読んだ今回の漫画編集担当者が「国生さんとのイメージとのギャップ、物語の緻密さ、このボリュームの長編小説を完成させたということに衝撃を受けました」と漫画化を依頼。デジタルコミック化が決定した。

 タイトルは「国守の愛~群青の人・イエーガー~」。斬新な設定のSFで、ヒロインの科学研究者・が開発に成功した研究をめぐり物語が展開していく。初めての小説が意外にも軍事的な要素のあるアクション作品“ミリタリーアクション”となった。

「私の中のおたく全開です。アニメが好きでガンダムシリーズとか、“虐殺器官”“幼女戦記”といった戦闘シーンのあるSFアニメも好きだし、アクションやサスペンス作品も好きだったりするので、そういった部分から出てきた作品です」

 独特の世界観とくっきりとしたキャラクターが登場する作品。出版関係者からは「力強いストーリー展開で、初めての長編なのにブレがないのが特徴」との評価が出ている。背後にあったのは女優業の経験だ。国生は「キャラクターは書く前につくり込みました。18歳から台本を読んできたご褒美かなと思っています。役柄の背景、性格などをつくり込んで演じてきたので」と語る。40年地道に続けてきた役作りが、キャラクターのブレがない緻密な作品を生み出した。

 漫画には監修的な立場でかかわった。「漫画化を聞いた時にヤッターという気持ちよりは、これまでは1人でポチポチ書いて自己完結できたけれど、漫画化となればさまざまな人が関わって大きなチームになる。どうやって着地させていけばいいかということを考えていました」

 製作サイドに任せるところは任せ、自身はストーリーと絵について世界観を伝えていった。こだわりのつまった作品。「せっかくなので、1人でも多くの方にこういう漫画があります。実は国生さんが書いているんだとか、私の新しい一面を見てほしい」

 現在も小説投稿サイトで書き続けており、任侠の世界の人間ドラマやコメディー作品にも挑戦している。「まだまだつたない文章ですが、読んでくださる方がいるなら小説に限らず、コラムやエッセーにもトライしてみたいです」。意欲を語る表情は晴れやかだった。

▽「国守の愛~群青の人・イエーガー~」

科学研究者・富士子が開発に成功したある研究。富士子は純粋に医療目的での使用を目指しているものの、軍事面での転用の恐れがある。これを狙う秘密組織から守るため、特殊部隊に属する要が富士子に近づいていき、富士子の幼なじみで、要の同僚・宗弥との三角関係を軸に、国を守るために懸命に挑む男女の壮大なストーリーが展開される。

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