1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 格闘技

「ビッグバン」中谷潤人が語る現在・過去・未来 防衛→統一戦→転級→尚弥とモンスター対決

スポニチアネックス / 2025年1月8日 5時1分

<中谷潤人インタビュー>1月2日に誕生日を迎える中谷潤人はケーキで新年を祝う(撮影・会津 智海)

 ◇WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者・中谷潤人《12回戦》同級6位ダビド・クエジャル(メキシコ)(2025年2月24日 有明アリーナ)

 世界3階級制覇王者でWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M・T)が本紙の取材に応じた。15歳で単身渡米し苦労した武者修行時代を経て、チャレンジの年と位置づける今年は2月の防衛戦後に統一戦や転級をもくろむ。そして来年に見据える世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)とのビッグマッチ。2日に27歳になったビッグバンが過去、現在、そして未来について語った。 (取材・構成 伊東 慶久)

【現在】 プロ10年となる中谷が新愛称「ビッグバン」として25年に挑む。30戦目となる次戦の防衛戦後の6月ごろに視野に入れるのが、IBF王者・西田凌佑との統一戦。ベルト統一に成功すれば、次はいよいよスーパーバンタム級参戦が現実味を帯びる。年4試合を行う構想も明かす一年を「チャレンジの年」と位置づける。「自分にはまだまだ経験が足りない。コンスタントに試合をすることで、そこに対する準備や過程の中でまだ強くなれる感覚はある」。掲げる「王座統一」に向けて歩みを止めるつもりはない。

 バンタム級に転級した昨年は全3戦でKO勝利。初のパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)入りも果たしたが「自分の中の“最高点”はまだ先にあると思う」ときっぱり。「爆発的なパンチで(アンドルー・)モロニー戦のようなKOを見せていきたい」。追い求めるのは、23年年間最優秀KO賞に選ばれた一戦だ。

【過去】 原点は米国時代にある。中学卒業後に単身渡米し、元世界2階級制覇王者・畑山隆則氏らを育てた名トレーナーのルディ・エルナンデス氏に師事。同氏の父の自宅に約1年間、住み込んだ。当時、英語は全く話せず食事の席ではいつも一人でぽつんと座っていた。「まず自分に興味を持ってもらうために、ボクシングで魅せるしかないと思った」。練習中、疑問に思うことでもまずは「YES」とうなずき、ルディ氏が身ぶり手ぶりで教えるパンチを必死にまねた。

 練習を行うジムも毎日異なれば、具体的なメニューも明かされない。「慣れない環境で誰とスパーをするのかも分からない。恐怖のような緊張感があった」。当時1メートル60だった中谷が、一回り大きい1メートル70の選手と手合わせすることも少なくなかった。前日にスパーリングの約束をした相手が、翌日ジムに来ず“ドタキャン”されることもあったが「あの期間があったからこそ精神的な強さも得られた。今はどんなことでも動じることはない」。15歳で身に付けた“不動心”が今を支えている。

【未来】 26年に待ち受けるのが、井上尚との“モンスター対決”だ。「流れやタイミングもあるが、対戦が近くなっていることは感じている。練習で意識する場面は増えたし、そこに向けていろいろトライしていかないといけない部分は多く出てくる」。昨年末は、“対井上”をイメージしながら練習を行う日もあったという。

 ビッグマッチを実現させるためにも、スーパーバンタムで実績を残す必要がある。「階級を上げたとしても、体をつくってからしっかりと準備をして挑まないと勝てない選手。より期待してもらえるようなパフォーマンスをしていくことが大事になる」。同級で最低2試合をこなす希望を口にしながら、これまで行ってきたフィジカルトレーニングでも下半身強化に重点を置き、大一番に備える。

 初の統一戦、転級、そしてPFP入りした2人による夢のビッグマッチ。大きな野望を抱く中谷の未来予想図は果てしなく広い。世界のBIGBANGへ――。勝負の一年が幕を開けた。

 ≪ロス合宿出発「テーマはワールドワイド」≫ 中谷はこの日、米ロサンゼルス合宿へ羽田空港から出発した。V3戦へ「たくさんスパーリングもするのでリスクもあるが、いい緊張感の中で練習ができると思う」と話した。7日には米国で最も権威のあるボクシング専門誌「ザ・リング」の男子年間最優秀選手賞にノミネートされた。「物凄く光栄」と目を輝かせ「25年のテーマはワールドワイド。PFPなどで評価されるためには世界の人に認めてもらう必要がある。より知ってもらえるようなファイトをしていきたい」と気合十分に話した。

 ◇中谷 潤人(なかたに・じゅんと)1998年(平10)1月2日生まれ、三重県東員町出身の27歳。小4から空手を始め、中1でボクシングに転向。U―15全国大会を2連覇した。17歳でプロデビュー。16年全日本フライ級新人王、19年日本王座を獲得。20年11月にWBO世界フライ級王座を獲得。23年5月にWBO世界スーパーフライ級王者となり2階級制覇。24年2月にWBC世界バンタム級王座を獲得し3階級制覇。身長1メートル72。左ボクサーファイター。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください