プレミア12で初優勝決める決勝弾の林家正が語る激闘の舞台裏「チャンスがあるならNPBでプレーしたい」
スポニチアネックス / 2025年1月8日 16時31分
昨秋の「プレミア12」で初優勝を飾った台湾代表の林家正(リン・カセイ、英語名ライル・リン)捕手(27=ダイヤモンドバックス2AアマリロからFA)がスポニチのインタビューに応じた。台湾史上初めてのMLBドラフト選手として知られる台湾代表の扇の要。決勝で負傷交代後にベンチで泣いていた理由や、チームとして優勝後のシャンパンファイトを自粛した理由など、舞台裏を語った。(取材・柳原 直之)
――台湾代表は昨秋の「プレミア12」で初優勝。台湾では優勝パレードも行われるなど盛り上がった。
「素晴らしい経験だった。パレードは初めての経験だった。野球を通して台湾が一つになった。4万人以上のファンがパレードを見に集まったと聞いた。素晴らしい瞬間だった」
――「プレミア12」で勝ったことの意味、決勝で日本に勝ったことの意味は。
「日本はベストメンバーではなかったが、いつも良いメンバーで構成されていて、今回も素晴らしいチームだった。今大会で3回対戦して2回負けたが、最後の試合に勝つことができた。それが全てだった。とはいえ、日本は強かったし、いつも良い野球をしているので、とても尊敬している。我々はただ良いプレーをするだけでなく、より良いプレーをしたいという気持ちが常にある集団だった。日本との対戦を通して、台湾は素晴らしいチームになることができた。何度も言うが、我々は日本に尊敬の念を持っている。今回の優勝は私にとって、台湾にとっては素晴らしい瞬間だった」
――なぜ日本の野球を尊敬しているのか?
「歴史的にも日本は強く、正しい野球をしているように思う。僕たちの世代は子供の頃、いつも野球をしていて、いつもテレビで日本の野球を見ていて、日本的なやり方で練習もしていた。だから、僕たちは日本の野球を尊敬している」
――「プレミア12」決勝の日本戦では0―0の5回に戸郷から先制ソロを放ち、それが決勝点に。一方で試合終盤に負傷交代し、ベンチで泣いているシーンがテレビに映った。
「8月に左手を骨折して、大きな手術をしてリハビリを乗り越えてプレーしているところだったが、今度は右手を負傷した。泣いてしまったのは歴史的な瞬間に最後までグラウンドに立ちたかったから。自分に失望してしまい、泣かないようにしたけど、泣いてしまった。悔しかった」
――戸郷からの本塁打で注目を集めた。
「(ダイヤモンドバックスの)2Aの打撃コーチが、過去に日本ハム、DeNAでプレーしていたスレッジさんだった。日本戦の前に彼に電話をして、アプローチやスイングについて助言をもらっていた。戸郷選手は素晴らしい投手。彼は私のメンターでもある。東京のホテルの動画や写真を見せると、日本での楽しい思い出がよみがえると喜んでいた」
――どんな助言だったか。
「私にとって逆方向に打つアプローチが重要だった。それがいい形になった。正直、台湾ラウンドの時は調子が良くなかった。打ち急いでいた。打ち急がず、自分自身をリセットして、自分のスイング、自分のアプローチをすることができた。狙い球を絞って、幸運にも打つことができた。日本代表では阪神の森下選手の打撃も印象に残っている。タイミングの取り方、インサイドアウトのバット軌道、スイングの安定性などが素晴らしい。日本でもベストヒッターの1人だと思う」
――優勝後に台湾代表がシャンパンファイトを自粛した理由は。
「東京ドームで日本に勝った試合ということもあり、優勝を祝うのは当然だが、祝いすぎる必要はないと思っていた。敬意を持って、混乱を起こしたくないという気持ちだった。これは最終的には監督が決断し、我々全員が同意して、シャンパンファイトはしないことをした」
――好きな日本の野球選手は。
「それはもちろんドジャースの大谷選手だ。世界で一番の選手だと思っている。打撃フォームはいつもチェックしている。彼の謙虚な性格も含めて尊敬している。台湾でも大谷選手は有名で、台湾中の人々が知っている存在。個人的にはアリゾナのドライブラインで彼に会ったことがある」
――オフシーズンの過ごし方、2025年シーズンに向けて。
「まずは右手のリハビリをしなければならない。参加予定だったコロンビアでのウインター・ボールには行かないことになった。私はFAなので、どこでもプレーできる状況。米国で契約が取れればいいが、もしチャンスがあるならNPBでもプレーしてみたい。私はとても日本の野球を尊敬しているから」
――2026年のWBCへの思い。
「もちろんプレーしたいと思っている。今回の台湾もベストメンバーではなかった。ケガ人も多かった。台湾の国全体からの期待もそんなに高くなかった。だが、若い選手中心に勝ちたいという思いが強く、それが良い結果につながった。もし2026年のWBCでプレーする機会があれば、そういった気持ちを強くもってプレーしたい」
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