阪神・藤川監督あるぞ“世界進出” 「伝統の一戦」海外開催案に粟井球団社長「検討はします」
スポニチアネックス / 2025年1月9日 5時18分
阪神・藤川球児監督(44)、粟井一夫球団社長(60)ら球団幹部が、新年のあいさつのために、大阪市北区のスポーツニッポン新聞社大阪本社を訪れた。懇談の中で粟井球団社長は海外での公式戦開催を「検討はする」として余白を残した。日本野球機構(NPB)の榊原定征コミッショナー(81)が示した「伝統の一戦の海外開催案」を受けたもので、もしかしたら、将来的に、猛虎が世界進出をするかも!?
阪神首脳とスポニチ首脳のテーブルを挟んだ新年の懇談は、意見交換あり、笑いありで進んだ。30分近くに及び、大阪市北区のビル内から見える外の景色は、すっかり夜のとばりが下りていた。その席の最後の最後だった。話題が海外での公式戦開催になった。
6日に、榊原コミッショナーが「巨人―阪神戦をソウル、ロンドンでやるとか」と伝統の一戦の国際化案を示したばかり。旬なネタが出るやいなや、藤川監督は「これは(記事に)出ますよ、社長」と反応した。その鋭い嗅覚に添うように、粟井球団社長は慎重に言葉を選んで答えた。
「野球振興や発展のところでは共鳴しますけど、何もお聞きしていないので。ハードルは高いと思いますけど。検討はしますけど」
球団トップの発言は、現在はプランが全くないことを示していた。その一方で、粟井社長は「以前にも検討したことはあるんですけどね。ジャイアンツさんと。2014年ぐらいに」とも続けた。
阪神―巨人戦の米国開催が持ち上がったのは13年。14年シーズンの開幕戦を、ロサンゼルスのドジャースタジアムとエンゼルスタジアムで1試合ずつ行う計画だった。実現間近まで調整は進んでいた。ところが、最終的に収支やコンディション面での見通しが立たないことを理由に頓挫した。現実は厳しい。ただ、両球団が過去に海の向こうで興行を打とうとした事実は、可能性がゼロではない、という希望も示した。
藤川監督は「ロンドンには猛虎会があるんですよ。日本人の」と豆知識を披露した。世界には、現地の虎党のコミュニティーが存在する都市がある。その数は不明ながら、国際化になって久しい現代は、虎人気は国内だけのものではない。粟井社長は「やるのであれば、韓国とか、台湾とか、アメリカとか」と経営者目線の見解も添えた。
昨年、巨人は球団創設90周年で、阪神は今年同じ節目を迎える。互いに意識するのは「100」の数字。大きな区切りは目前。その前に、新しい伝統をつくるのは、タイミングとして悪くない。(倉世古 洋平)
≪海外開催02年が最後≫NPBの海外での公式戦開催は、2002年5月14、15日に台湾・天母球場で行われたダイエー―オリックスが最後。1リーグ時代の1940年には旧満州(現在の中国東北部)で全9球団が7月29日から8月23日までの約1カ月間に72試合を行った。米国統治下で本土復帰(72年)以前の沖縄でも61、62年にパ・リーグ公式戦が5試合行われている。
≪本紙大阪本社に新年あいさつ≫スポーツニッポン新聞社大阪本社の樋口徹代表は、来社した阪神球団幹部に「再び優勝して、ぜひ関西を盛り上げてほしい」とお願いをした。藤川監督は「チームとしては勝ちにいくが、選手にスポットが当たる中で、タイガースらしいカリスマ性のある選手が出てくることも期待したい」と呼応。選手発のメッセージでメディアがにぎわうことを期待。その結果、個性豊かな選手の集団になることを、理想とした。
また支配下5選手、育成4選手の9選手となる外国人選手について指揮官は「特に投手にタイガース経由MLBという流れがあるのは強み。球団には原石がいる。外国人選手にもチャレンジさせていく」と積極的に機会を与える方針を示した。
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