【藤浪晋太郎インタビュー(上)】右肩は「全然問題ない。むしろ去年の同時期に比べれば今の方がいい」
スポニチアネックス / 2025年1月11日 7時2分
メッツ傘下3Aからフリーエージェント(FA)となっている藤浪晋太郎投手(30)が、スポニチのインタビューに応じた。10日時点で所属先未定の右腕は、右肩の張りでメジャー登板機会なしに終わった昨季を「もどかしい日々」などと振り返った上で、「去年の同時期に比べれば、肩のコンディションは今の方がいい」と“復肩”を宣言。プエルトリコ・ウインターリーグで手にした収穫、今オフに構築を図っているシンプルな投球フォームを新たな武器に、「どんな形であれ、はい上がる」と強い決意を示した。(取材・構成=惟任 貴信)
――24年を振り返って。
「キャンプで思うように結果が出せず、そのままマイナーに降格。キャンプ中から肩のコンディションは良くなかったんですけど、その後、さらにシラキュースという寒いところに行って、そこで投げているうちにちょっと悪くなっていって…という感じでした。そのままケガをして、フェードアウトみたいになって、決して、いいシーズンとは言いがたい1年になりました。米国で初めてのケガ、長期離脱となったので、もどかしい日々ですし、落胆もしました。そういう感じです」
――肩の症状とは。
「自分の中では、そこまで時間は掛からないかなと思っていましたが、向こうのリハビリというのは厳格で、画像上、炎症が写ったから2カ月くらいは掛けるという感じになりました。(米国)1年目に64試合投げた影響も無きにしもあらずなのかなとは思います。ただ昔から多少なりとも(張りは)あって、それを抱えながらやっていた部分はあったので、それがポンと64試合投げたことで出たのか、それとも長年やっていて、たまたま出るタイミングだったのか…それは、どちらかは分かりません」
――状態は戻っているのか。
「今は全然、問題ない状態です。むしろケガをしたことでリハビリに入って、肩のコンディショニング方法を全体的に見直して、それが功を奏しています。前までキャッチボールの最初は違和感を感じることが多かったんですけど、それが完全に消えて、今はとてもいい状態で投げられています。かなり、いいですね。アップ前の準備の仕方とか、やり方もちょっと変えて、それがハマっています」
――球速も戻っているか。
「復帰してからも160キロとかは全然、出ていました。マイナーの後半では160キロ以上、出ていたので。むしろ去年の同時期に比べれば、肩のコンディションに限れば、今の方がいいかなと思っています」
――長いマイナー生活を味わったが。
「もちろんメジャーに比べれば環境は良くないですけど、日本の皆さんがイメージしているほど悪くもないです。毎試合、8時間のバス移動…とか、そこまでではないです。東のマイナーリーグが比較的、そう(厳しい移動になりにくい状況)だということもあるんですけどね。人によって感じ方は違うと思いますけど、自分は気にならない範囲でした。たまに7時間(バス移動)とかもありましたけど、慣れてしまえば。メジャーでも6時間の飛行機移動とかありましたし。それを考えるとマイナーだから、ということでもないかなと思っています。アメリカだから、そんなものかなと」
――シーズン終了後にはプエルトリコのウインターリーグに参戦。印象などは。
「プエルトリコは、やや日本寄りな野球をしますね。アメリカはもう本当にデータ重視で、全員が長打を狙いにくる感じですけど、プエルトリコはどちらかと言えば日本的なオールドスタイルの野球をする印象です。バントを仕掛けたり、やたらバントのサインプレーの練習をしたり…。繊細とはまたちょっと違いますけど、ややオールドスタイルと思いました」
――新たな発見などもあったのか。
「特に自分自身の新しい発見とかはないですけどね。とりあえず球場にウエートルームが無かったり、ベンチプレスの台がポンと1個置いてあるだけでスクワットのラックもなかったり…たとえば開幕2日前に“ブルペンに入りたい”と言ったら“ブルペンは工事していて完成していないから今は投げられない”などと訳の分からないことも多かったですけどね(笑い)。そういう環境でもやらないといけないというのは、経験にはなりました。日本ではまず、経験できないことですね」
(下に続く)
◇藤浪 晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年(平6)4月12日生まれ、大阪府出身の30歳。大阪桐蔭(大阪)では3年時にエースとして史上7校目の甲子園春夏連覇を達成。12年ドラフト1位で阪神入団。1年目から先発に定着し、15年まで3年連続2桁勝利。21、22年は開幕投手を務めた。17年WBC日本代表。NPB通算189試合57勝54敗11ホールド、防御率3・41。23年1月、ポスティングシステムでアスレチックス移籍。7月にトレードでオリオールズ移籍。24年はメッツと契約もメジャー登板機会なし。MLB通算64試合7勝8敗2セーブ、防御率7・18。1メートル98、100キロ。右投げ右打ち。
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