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ドジャースのファームで「宝石」と称えられた若手有望株ナンバー1が2年で戦力外に、何が起きたのか?

スポニチアネックス / 2025年1月13日 13時0分

ディエゴ・カルタヤ(AP)

 ドジャースは選手育成が上手なことで知られているが、うまく行かないときもある。

 ベネズエラ出身のディエゴ・カルタヤ捕手(23)は2018年、ドジャースと250万ドル(当時約2億7500万円)で契約した際には「最高の才能の一人」として、スイングの美しさが評価された。2年前もドジャースの組織の中で「宝石」と称されていた。しかしメジャー昇格はなく、このオフ、韓国出身のキム・へソン内野手を40人枠に入れるために戦力外通告を受け、ツインズへトレードされることになった。ドジャースが見返りに得たホセ・バスケス投手(20)は、ドミニカン・サマーリーグで2年間防御率8.05だった。

 身長1メートル90で力強い右打ちのスイングを持つカルタヤは、22年と23年に若手有望株の情報を扱う「MLBパイプライン」でドジャースの有望株1位にランクされていた。一時は「MLBパイプライン」「ベースボール・アメリカ」「ベースボール・プロスペクタス」の3つのランキング全てで全体トップ20に入っていた。しかし、ケガや成績不振が成長を妨げ、同じ捕手のダルトン・ラッシングやハンター・フェドゥシアに組織内の序列で追い越された。

 ドジャース傘下で最も輝いたシーズンは21年と22年。21年にはローAで31試合に出場し、打率.298、10本塁打、OPS1.023を記録。22年にはローAとハイAの合計で打率.254、22本塁打、OPS.892をマークし、ドジャースタジアムで開催されたMLBフューチャーズゲームにも出場した。23年の開幕時点で、カルタヤはメジャー昇格まであと一歩の位置にいると見られていた。

 しかし、その年は打率.189に終わり、19本塁打を放ったが、117回も三振を喫した。24年序盤は成績がやや改善し、3Aオクラホマシティーに昇格したが、そこでの打率は.208、OPS.643。シーズン終盤、ドジャースがケガで控え捕手を必要とした際には、カルタヤではなくフェドゥシアがメジャー昇格を果たした。

 ベースボール・プロスペクタスのジャレット・サイドラー記者は、「なぜ私たちが彼への評価を誤ったのか」と自己分析している。ドジャースのローA、ランチョ・クカモンガ・クエイクスのホームであるローンマート・フィールドは、全体的に打者が好成績を残しやすいリーグの中でも打者有利な球場。カリフォルニア南部に位置しているため乾燥して暖かい上に、少し標高が高く、球場も広いわけではない。ここでカルタヤは平均打球速度が時速90マイル(約144.8キロ)を超えており、ストライクゾーンでのコンタクト率が80%以上を記録していた。

 しかし、ミシガン州にあるハイA、グレートレイクス・ルーンズのダウ・ダイヤモンド球場に移ると、打撃データは悪化。平均打球速度は6マイル(約9.66キロ)低下し、ゾーン内のコンタクト率は4ポイント減少し、ゴロ率が急増した。23年は2Aで良い打撃成績を残せなかったが、データを詳細に見れば22年の時点で黄信号が出ていた。

 サイドラー記者は、カルタヤは10代のうちから肉体的に成熟しており、スイングは右打者としては美しいものの、バットの軌道は少し固定的。ローAの投手は打ち砕けても、投手のレベルが上がるとコンタクトの質は落ちていったとする。ドジャースは21年にローAで活躍したカルタヤをすぐにハイAに上げず、22年も最初はローAでプレーさせたが、そこを見抜いていたのかもしれない。同記者は、若い捕手はカルタヤに限らず急に打撃面での成長が止まってしまうことがある、そこは予測が難しいとも付け加えた。ドジャースは22年のドラフト2巡目捕手ラッシングの成長もあり、宝石と言われた選手に見切りをつけている。

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