93歳 富沢宏哉元セ審判部長が特別表彰 選手経験なしの審判員草分け的存在「長生きして本当に良かった」
スポニチアネックス / 2025年1月17日 5時15分
◇野球殿堂入り
特別表彰では元セ・リーグ審判部長の富沢氏が殿堂入りした。選手経験のない審判員の草分け的存在で、在籍35年で審判員として歴代2位の通算3775試合に出場。存命者では史上最高齢93歳での選出に「こんな幸せな日を迎えられるとは夢のようです。長生きして本当に良かった」と左手を突き上げた。
当時年少記録となる23歳でセ・リーグに入局。77年9月3日に巨人の王貞治がハンク・アーロンの大リーグ記録を超える通算756本塁打を放った試合の球審を務め「強く印象に残っている。今日はその王さんも列席されており感慨深い」と語った。
78年の日本シリーズでヤクルト・大杉勝男の左翼ポール際の打球を本塁打判定した左翼線審としても有名。阪急・上田利治監督の猛抗議が1時間19分の中断を呼んだ。59年に巨人・長嶋茂雄が左越えにサヨナラ本塁打を放った天覧試合でも左翼線審を務めた。
通知式では日本野球機構(NPB)の前審判長・友寄正人氏が「本当に厳しい審判だった」と回想。「貴様、帰れ!」と怒鳴られた翌日に手紙で謝罪と審判員の心構えを伝えられた思い出を披露した。(神田 佑)
◇富沢 宏哉(とみざわ・ひろや)1931年(昭6)7月25日生まれ、東京都出身の93歳。野球経験のないプロ野球審判第1号。社会人野球の審判を経て、55年にセントラル野球連盟審判部入局。通算出場3775試合は歴代2位。59年6月25日の天覧試合で左翼線審、77年9月3日に巨人・王貞治が世界新の756号本塁打を放ったヤクルト戦で球審を務めた。80~89年に審判部長、94年退局。「野球審判ガイドブック」などの著書がある。
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