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二所ノ関親方 照ノ富士をねぎらう 満身創痍も技術磨いてカバーした名横綱だった

スポニチアネックス / 2025年1月18日 4時44分

17年春場所の優勝決定戦で照ノ富士(左)を破った稀勢の里

 ◇照ノ富士引退

 心の中では、照ノ富士はまだ現役を続行できるんじゃないかと思っています。力は現役の中で抜きんでていたからです。今場所は珍しく長い相撲が多かった。自分有利の形でも寄り切れず限界を感じていたのでしょう。一人横綱として3年半。よく頑張ったと思います。

 照ノ富士は私が新横綱だった17年春場所千秋楽、本割と優勝決定戦で対戦し連勝した相手でした。左大胸筋の負傷を押しての優勝でしたが、照ノ富士も膝を痛めていた。その後、序二段まで落ちながら横綱まで上り詰めた。歴史的な復活劇。あの精神力は凄いと思います。まさに長期間、転落している力士の希望。思い出の一番に序二段の相撲を挙げたように、彼にとっての転機となりました。師匠の伊勢ケ浜親方をはじめ、周囲の人間にも恵まれた。いろんなものが重なり合ったV字回復でした。

 若手時代に番付を駆け上がった際は、恵まれた体格を生かし、両上手、両下手でぶん回してくる豪快な取り口。私もよく振り回されました。膝の大ケガから復帰してからは前まわしを取ったり、まわしを切ったり、技術も進化。強くなって帰ってきました。最近は満身創痍(そうい)でしたが、出てきた時の安心感、強さは際立っていたし、力強さより技術面を評価しています。

 山あり谷ありの14年。力士としては希少な人生を送っているので、指導者としていい力士を育ててくれるはずです。ケガの対処、克服の仕方など、どういう指導をするか楽しみです。(元横綱・稀勢の里)

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