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佐々木朗希が23歳でメジャー挑戦する意義 大谷翔平も語った“早期挑戦”の大切さ

スポニチアネックス / 2025年1月20日 12時13分

キャッチボールする大谷翔平(手前)と佐々木朗希(2023年撮影)

 ロッテからポスティングシステムで大リーグ移籍を目指していた佐々木朗希投手(23)が17日(日本時間18日)に自身のインスタグラムでドジャースに入団することを発表した。「世界一の投手」を目指す佐々木の野球人生という観点から、やはり23歳という若さで挑戦できることが大きいだろう。

 ド軍で新たにチームメイトとなる大谷も、日本ハムからポスティングシステムでエンゼルスに移籍した18年開幕時は23歳だった。同年は打者で22本塁打、投手で4勝を挙げて新人王に輝いたが、シーズン後に右肘を手術。翌19年は左膝の故障もあって不振に苦しみ、「メジャーの顔」として軌道に乗ったのはコロナ禍明けの21年だった。同年開幕時は26歳。グラウンド内はもちろん、グラウンド外でも移動、語学、食事などあらゆる環境に慣れ、心技体で準備が整った時だったと言えるだろう。

 NPBに目を移せば、翌22年はヤクルトの村上が56本塁打を放ち、22歳で史上最年少で3冠王に輝いた。当時はメジャーリーグの取材現場でも村上の話題で持ちきり。米メディアからは「村上はいつ米国に来るんだ?」と問われることが日常だった。もちろん、大谷にもその活躍は耳に入っていたようで、当時のエ軍関係者によれば大谷は「メジャーリーグでプレーするなら、できるだけ若い時に来たほうがいい」という主旨の発言をしていたそうだ。

 この発言は、主に打者としてのメジャーリーグ挑戦を意味する。自身も3年目までは適応に苦しんだ経験があったからだ。ただ、投手も同様で、米挑戦1年目の投手がNPB球より滑りやすいメジャー球への適応はもちろん、アリゾナを筆頭に極端に乾燥した地域での投球など、すぐに日本と同じ感覚で投げる難しさは並大抵のことではない印象が強い。

 ここからは選手ではない“記者”としての感想になる。ドジャースが4勝1敗でヤンキースを下した昨秋のワールドシリーズ第5戦後に開放されたヤンキースタジアムのマウンドの上に立てる機会があったが「こんなに硬いところで投げているのか…」と驚いた。スパイクではなくスニーカーを履いていたとはいえ、滑って土を削ることさえできなかった。ロッテの本拠地ZOZOマリンのマウンドは佐々木が入団する前にメジャー仕様の固いマウンドに改良しているが、佐々木は日米の違いをどう感じるだろうか。

 今季のド軍は既に先発投手陣をメジャーで一般的な5人制ではなく、6人制とする方針を示している。佐々木は昨季の投球回数は111で、自己最多も22年の129回1/3だ。少なくともメジャー1年目の佐々木に過度に負担がかかることはないだろう。

 山本も25歳という若さでの挑戦だったが、佐々木はさらに2歳も若い。大谷同様に、心技体で準備が整ったメジャー4年目、26歳で開幕を迎えるシーズンをピークに持っていくプランでも全く問題ない。日本で一度も規定投球回をクリアできておらず、「大リーグ挑戦は時期尚早」という批判的な声もあったが、23歳での挑戦は大きな意義のあるものだと思っている。(記者コラム・柳原 直之)

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