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柔道・羽賀龍之介が引退「みんなから好かれる選手を育てたい」今後はドイツに留学、指導者の道へ

スポニチアネックス / 2025年1月20日 19時11分

<羽賀龍之介 引退会見>旭化成の柔道部員たちに労われる羽賀(中央)(撮影・五島 佑一郎)

 柔道100キロ級でリオ五輪銅メダリストの羽賀龍之介(33)が20日、都内で会見を開き、現役引退を発表した。

 「挫折も多かった」と振り返る柔道人生の中で一番の思い出に挙げたのは、2015年の世界選手権で優勝したこと。その前年には男子100キロ級のみ世界選手権の派遣が見送られていたこともあり「選手として屈辱的な思いもした。初めて世界チャンピオンになれてうれしいというか、報われたなという思いが大きかった」と振り返った。

 また、羽賀の柔道人生で大きなハイライトとして挙げられるのは2020年の全日本選手権。「コロナ禍でスポーツ界への目線も厳しくて、試合する以前の問題も多かった」という無観客開催の中で初優勝を果たした。東京五輪の出場は逃した状態で臨んだ大会。「東京五輪を集大成としてやってきて、ダメだったからそこで辞めることもできた。でもここで辞めたら心残りがあるんじゃないかと思った。全日本選手権で勝つことが一つのモチベーションになっていると気付かされた」。その後、2023年11月に強化指定選手を辞退。日本代表の選考対象外となり、国内の大会に専念した。「現役の最後は全日本選手権に助けられた」。2024年4月の全日本選手権は3回戦で敗退。これが最後の大会となった。

 今後はJOCのスポーツ指導者海外研修員として早ければ4月からドイツに2年間留学し、男子日本代表の特別コーチや旭化成柔道部のコーチも務め、指導者の道を歩む。現役時代は歴代日本代表監督の篠原信一氏、井上康生氏、鈴木桂治氏から指導を受けた。「代表選手として関われたのは今後に向けても大きい。いろいろな体制でいろいろなカラーがあった。いろいろな選手の思いも共有してきた。そこで感じたことを生かして、ロス五輪に向けてコーチとして関われることは大変ありがたい」。今後は「どんな人からも応援される、みんなから好かれる選手を育てたい」と指導者としての抱負を語る。羽賀の経験や思いは、多くの後輩たちへ受け継がれていく。

 ◇羽賀 龍之介(はが・りゅうのすけ)1991年(平3)4月28日生まれ、宮崎県延岡市出身の33歳。5歳から柔道を始め、神奈川・東海大相模高3年時に全国高校総体100キロ級優勝。東海大1年時に世界ジュニア選手権優勝、講道館杯優勝。2年時にユニバーシアード優勝、講道館杯優勝。卒業後は旭化成に所属。2015年世界選手権優勝、グランドスラム東京大会優勝。2016年リオ五輪銅メダル。2019年選抜体重別選手権優勝、講道館杯優勝、グランドスラム大阪大会優勝。2020年全日本選手権優勝。2022年選抜体重別選手権優勝。得意技は内股。段位は五段。身長1メートル86。

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