1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

現代指標では測れないイチロー氏の価値 勝利貢献度「WAR」低くてもユニークさと高潔さで「99クラブ」

スポニチアネックス / 2025年1月23日 2時33分

大勢のファンの中、打席に立つイチロー

 ◇イチロー氏 アジア出身初の米野球殿堂入り

 これまで2万787人の大リーガーが誕生し、殿堂入りした元選手は278人となった。実に1・3%という狭き門をこじ開けた。それだけでも偉業だが、注目されるのは99・746%という高い得票率だろう。99%超えの「99クラブ」は、100%のリベラ、99・748%のジーター、99・32%のグリフィーに続き4人目だ。

 なぜ「準満票」とも言える票が集まったのか。見逃せないのが、近年のMVP投票では最も重視される指標「WAR」が、実は低いこと。平均的な選手に比べてどれだけ勝利を増やしたかを示し、米データサイトの独自の算出法で導かれる。レギュラーシーズンのMVP投票では、ほぼWAR通りに並ぶのがここ数年の通例だ。殿堂入り選手の通算WARでは歴代トップのベーブ・ルースが182・6。リッキー・ヘンダーソンが111・1、グレグ・マダックスは106・6で、イチローの60はかなり低い。99クラブではジーターも71・3、グリフィーは83・8、リベラは56・3にとどまる。

 2つの理由が考えられる。まずは他の選手と一線を画すユニークなキャリア。イチローは安打数で群を抜き、ユニークな打撃技術で驚かせた。プレースタイルも唯一無二で、日本からのスーパースターとして大リーグへの架け橋となった。パナマ出身のリベラは最多セーブ記録を保持し、ワールドシリーズなど大舞台で活躍。カットボールを投げ続ける独自のスタイルやメンタルの強さで認められた。ジーターは連覇が難しい近年の球界で常勝ヤ軍をけん引、リーダーシップや勝利への貢献度から「ザ・キャプテン」と呼ばれた。グリフィーは通算2143安打した同名の偉大な父を持ち、独特の打撃フォームと走攻守そろった5ツールプレーヤーとして愛された。

 2つ目はキャラクター。いずれもフィールド内外で模範的な人物として、野球を超えて多くのファンに好かれた。そして欠点がなかった。禁止薬物などの疑惑や、問題行動、発言などはほぼなく、投票者にとって「クリーン」な存在だった。

 ユニークさと、高潔さ。この2つが日本での野球殿堂得票率92・6%をはるかに上回る得票率につながった。 (後藤 茂樹)

 ▽WAR 「Wins Above Replacement」の頭文字を取り、そのポジションの平均的な選手に比べて、どれだけ勝利数を上積みしたかを表す指標。数値はデータサイトによって異なり、打撃、守備、走塁、投球の4部門で計約100の計算式などで求める。ドジャース・大谷は二刀流選手のため、野手と投手でのWARを足して数値が高くなる傾向にある。MVPに輝いた21、23、24年はいずれもリーグトップ(8.9、9.9、9.2 ※24年は野手のみで残した数字)で、7年間通算WARは43.8。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください