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【届け!思いの丈(中)】山城 昨夏日本一の京都国際が“お手本” 皆勤校躍進の裏側

スポニチアネックス / 2025年1月23日 5時32分

練習に励む山城ナイン

 連載「届け!思いの丈」の第2回は、21世紀枠の近畿地区推薦校となった山城(京都)を取り上げる。夏の地方大会に第1回大会から出場を続ける「皆勤15校」の一校で、昨秋京都大会では準優勝した1982年以来42年ぶりの4強進出。伝統校が21世紀枠候補の9校に残るまでに至った躍進の裏側に迫る。

 山城を率いる岸本馨一郎監督は、京都国際の昨夏の日本一を特別な思いで応援していた。「いろいろとヒントをもらっている学校ですから」。京都国際の小牧憲継監督と同じ加茂川中出身で自身が1学年後輩。当時は交流のなかった先輩だが、今や公立の伝統校にとって“お手本”だ。

 岸本監督は12年に洛西(京都)に赴任し、高校野球の監督生活をスタートさせた。そこで初めて指揮した練習試合相手が、当時甲子園出場経験のなかった京都国際だった。「実は同じ中学校でして…」。その自己紹介から現在に至るまで長い付き合いが続いている。

 毎年、冬場に京都国際の練習を見学する。同校グラウンドは両翼70メートルに届かず、山城の校庭よりも狭い。その恵まれない環境で強化に成功した小牧監督に指導方針を聞くと「戦術の練習ができないなら、個の力を伸ばせばええやん」。では、どうすれば公立の選手を鍛えられるのか――。そのヒントも京都国際の練習にあった。

 強豪校ながら、基本のボール回しを徹底して繰り返していたのだ。「これをアレンジしよう」。ランニング送球など8種のボール回しを用意し、一日30分以上続けるようにした。目指したのは多彩な作戦の準備ではなく、基本に立ち返って個の技術を上げること。その方向性は間違っていなかった。昨秋京都大会では、準々決勝で強豪の鳥羽に勝利して4強に進んだ。

 21世紀枠に選出されれば、1957年以来68年ぶりの選抜出場となる。「次の100年は今の子たちが新しい伝統をつくってくれればいい」。元阪神・吉田義男氏ら数々の先輩が大切に守ってきた基礎を今一度見直しながら、吉報を待っている。(河合 洋介)

 ▽山城 1907年(明40)3月に京都府立第五中学校として創立。硬式野球部は15年(大4)4月に創部され、同年夏に開催された第1回全国中等学校優勝野球大会(現全国高等学校野球選手権大会)の地方大会に出場。現在まで皆勤出場を続ける。甲子園には50年夏に初出場し、春夏通算4度の出場も、未勝利。主な卒業生には85年に阪神監督として日本一に輝いた吉田義男氏、元サッカー日本代表選手の釜本邦茂氏らがいる。

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