オリックス ドラ4山中 捕手での指名も打撃で勝負決意

外野、内野に挑戦し打撃での勝負を誓った山中

　【25年版球界新士録(10)　オリックス4位・山中稜真捕手】ドラフト会議で名前が呼ばれた瞬間、山中の胸中には喜びと、もう一つの感情が交錯した。青学大3年春を最後に3年間離れていた捕手としての指名。昨夏の都市対抗優勝に貢献し、一塁手で社会人ベストナイン受賞の左の強打者は「驚きは正直ありました」と偽らざる心境を口にする。

　同時に、こうも言い切った。「過去に捕手をやったのもあったからこそ、ああいう指名をされたと思う。ただ、まずは自分の強みの打撃をアピールすることに尽きる」。新人合同自主トレでもブルペンで捕手の欄に自らの名前はなく、「最初は捕手ではなく、外野や内野になるのかな…と。外野、内野で勝負したい気持ちの方が強いので自主トレでもその練習時間を充てるようにしています」と決意を強くした。

　23年までオリックスでプレーし、初の担当選手が山中となった佐野如一アマチュアスカウトも「捕手もできるとなれば山中君の武器にもなる」と可能性を広げる意味での捕手登録と説明。広角への強い打球と直球への強さを評価し、「昨年出た得点力の課題を補ってくれると思っている」と期待を込めた。

　89年選抜で優勝した東邦の主将だった父・竜美さんとのキャッチボールが、野球を始めるきっかけ。「オールドルーキーとまではいかないですけど、24歳の1年目と思うと、早い段階で結果は絶対求められる。ゆっくりしている時間はない」。京セラを沸かすその時に向け、キャンプでのアピールを期す。（阪井　日向）

　◇山中　稜真（やまなか・りょうま）2000年（平12）12月14日生まれ、神奈川県出身の24歳。倉田小2年から野球を始め、木更津総合（千葉）では2年夏、3年夏に甲子園出場して大会通算打率・467。青学大では1年春からリーグ戦に出場し、三菱重工Eastでは24年に一塁手で社会人ベストナインを受賞した。1メートル78、82キロ。右投げ左打ち。