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西山朋佳女流3冠 初の女性プロ棋士ならず 編入試験最終局で敗れ無念 今後は「整理して考えたい」

スポニチアネックス / 2025年1月23日 5時32分

<西山女流3冠棋士編入試験第5局>感想戦を行う西山女流3冠(撮影・藤山 由理)

 将棋界初の女性プロ棋士を目指した西山朋佳女流3冠(29)の棋士編入試験最終局が22日、大阪・関西将棋会館で指され、試験官を務めた柵木幹太四段(26)に135手で敗れた。通算成績2勝3敗。5番勝負フルセットを戦い抜いたが無念の不合格となり、女性初の棋士誕生とはならなかった。

 激戦を終えた西山の頬は赤く染まり、指先はかすかに震えていた。「確かにいろいろな思いはあります」と、盤に視線を落とす。あと一歩まで迫った夢が目前で散った。言葉を詰まらせながらも「難しい立場の中、5人の試験官の方が向き合ってくださった。感謝しています」と静かに語った。

 勝てば歴史が動く大一番。対局には報道陣30社70人が詰めかけた。先手柵木、後手西山で始まった第5局。西山は得意の三間飛車に思いを託した。対する柵木は、棋士養成機関である奨励会の最高段位「三段」のリーグ戦で対西山戦5勝0敗の“西山キラー”。柵木の事前研究が実り、序盤からリードを許す。西山も必死に食らいつき激しい王頭戦に持ち込んだものの、午後5時54分に頭を下げた。

 西山の猛攻を受け、頭をかきむしる場面もあった柵木。「序盤はリードを奪った感触はあったが、終盤は負けてもおかしくなかった」と振り返る。西山は「粘るような展開で、悪形の苦しい将棋になった」と述べた。

 棋士への道が閉ざされたのは2回目。2016年に奨励会で三段に上り詰め、第66回三段リーグ(19~20年)で昇段ラインとなる14勝4敗の成績を収めた。この時に昇段した服部慎一郎六段(25)、谷合広紀四段(31)とは同星だったが、前期の結果に基づく開幕順位差で昇格枠「2」に届かず3位。睡眠を削り、心を鬼にして臨んだリーグで、次点に泣いた。その約1年後の21年、女流棋士転向を表明した。

 追いかけた世界への挑戦切符を再び手にしたのは昨年7月。棋士編入試験の受験資格条件を満たし、9月から新進気鋭の四段を相手に戦った。最中には女流棋戦の番勝負にも挑み、体調面では同月末に新型コロナウイルスに感染したことが判明。一時は1勝2敗のカド番に追い込まれるなど心身ともに苦しい期間があったが、「幸運な面もあって最終局までいけた。充実した期間だった」と編入試験を回顧した。

 条件を達成すれば編入試験は何度でも受けられるが、「今後のことは家に帰ってから整理して考えたい」。来月17日には福間香奈女流5冠(32)に挑戦する女流王座戦第2局を迎える。「落ち込んでる間もない」と自らを律し、新たな戦いの場へと向かった。

 (小田切 葉月)

 ▽棋士編入試験 現在のプロ公式戦において、「最も良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上の成績を収めたアマチュア・女流棋士の希望者」の条件をクリアすれば、年齢制限なく編入試験の受験が可能。西山は昨年7月に直近の公式戦成績を13勝7敗とし、受験資格を獲得。女性では22年に福間が受験したのが最初で、結果は0勝3敗だった。

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