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“黒澤組”上田正治さんの葬儀がしめやかに 前日の通夜には役所広司や寺尾聡らも参列

スポニチアネックス / 2025年1月23日 14時45分

祭壇は上田さんの好きな色である赤のバラやカーネーションで彩られた

 16日に急性心筋梗塞のため87歳で亡くなった映画撮影監督の上田正治さんの葬儀・告別式が23日、神奈川県川崎市の春秋苑白蓮華堂で営まれ、遺族ら約40人が参列した。

 「影武者」「乱」「まあだだよ」など多くの黒澤明監督の作品を手がけた上田さんは、1990年に「夢」、2000年に「雨あがる」で毎日映画コンクール「撮影賞」を受賞。黒澤監督からは「彼がいると現場が明るくなる。かけがえのない存在」と絶大の信頼を得た。

 そんな人柄を表すような、優しくほほえむ遺影が印象的で、祭壇は上田さんの好きな色という赤のバラやカーネーションなど、約500本の花で鮮やかに彩られた。また棺の中には、これまで撮った作品のプログラムや撮影現場で好んで食べていたという飴、好きだったクロスワードパズルや数独の本が入れられ、会場前には賞状や撮影カメラなど思い出の品が飾られた。

 「儀式ばったことはせず、笑顔で見送って欲しい」という上田さんの意思で、お焼香は行わず、参列者がそれぞれ献花。喪主を務めた妻、美穂子さんは、溢れる涙をこらえながら「もう役目は終わったと思って旅立ったんだと思います。これまで長い間、主人を支えて頂きまして、本当にありがとうございます」とあいさつした。

 参列者によれば、22日に行われた通夜には映画「峠 最後のサムライ」などでタッグを組んだ小泉堯史監督や、主演の役所広司(69)、黒澤明監督の長男で俳優の黒澤久雄(79)、寺尾聡(77)らが参列したといい、小泉監督などが弔辞を読んだという。遺作となる「雪の花 ―ともに在りて―」(小泉堯史監督)は24日に公開される。

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