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【玉ノ井親方の視点】優勝争いのダークホースは霧島 豊昇龍も重圧がかかる中で落ち着いて取れている

スポニチアネックス / 2025年1月23日 20時10分

<大相撲初場所12日目>土俵際で必死に抵抗する王鵬(左)と攻める霧島(撮影・篠原岳夫)

 ◇大相撲初場所12日目(2025年1月23日 両国国技館)

 やはり経験も地力も大関の方が一枚上手だった。優勝争いに生き残るためには、負けるわけにいかない金峰山戦。豊昇龍にすれば、1敗でトップに立つ相手を絶対に引きずりおろしてやろうという気持ちだったと思う。

 立ち合いで当たってすぐに左をたぐって引っ張りこみ、そのままはたき込んだ。

 金峰山が突き放してくるのを想定し、相手の腕をつかんで自由にさせないようにする、狙い通りの相撲が取れた。綱獲りには優勝が絶対条件になるが、重圧がかかる一番でも落ち着いていた。

 対照的に金峰山は賜杯争いのプレッシャーで体が硬くなり、足が前に出ていかなかった。立ち合いに集中して相手の動きを見ていなかった。少し気持ちの余裕がなかったのかもしれない。

 1敗力士がいなくなり、優勝争いは混戦の度合いが増した。1差の3敗力士の中で、存在感が大きくなってきたのが霧島だ。

 王鵬戦は突いてくる相手の腕を下からうまくあてがいながら追い込み、最後は後ろ向きにさせて送り投げを決めた。馬力のある王鵬以上に立ち合いが鋭く、その分、いなしも決まった。

 既に三役との対戦を終えており、V圏内の力士の中で有利なポジションにいるのは確か。ただ、いつも言っているように本当の勝負は13日目から。賜杯の行方がどうなるか先は読めないが、霧島がダークホースであるのは間違いないだろう。(元大関・栃東)

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