今季から就任した東芝・薮田安彦エグゼクティブ・アドバイザーにインタビュー「選手の長所を伸ばしていく」
スポニチアネックス / 2025年1月25日 11時3分
社会人野球の名門・東芝が1月1日付で、元ロッテ、大リーグのロイヤルズで投手として活躍した薮田安彦氏(51)をエグゼクティブ・アドバイザーとして招聘(しょうへい)した。NPB通算48勝67セーブ、112ホールドをマークし、MLBでプレーするなど、豊富な戦績と卓越した野球理論を誇る同氏。スポニチアネックスのインタビューでは指導に際しての意気込みや、投手陣に対する思いをあますところなく語った。
――現職について率直な感想を。
「大変、光栄に思います。これまでの経験を生かしながら、チームの発展に貢献し、都市対抗、日本選手権の優勝を目指すべく全力を尽くします」
――指導者として選手に色々アプローチするにあたり、心がけている指導方とは。
「選手の長所を伸ばしていくということを心がけてます。あとは伝え方ですよね。選手本人が理解しないと、なかなか難しいと思う。なぜそうなるのか、なぜその練習が必要なのかということはしっかり伝えていく」
――東芝には様々なタイプの投手がいる。
「トレーニングコーチの方もおられるので、その方と話し合いながらの指導になります。技術的なことに関しては、それぞれのピッチャーが“自分はこうなりたい”というものを持っている。球速を上げるのか、もしくは、打ちづらいピッチャーになりたいのか。そのためには何をしなければいけないのか、自分の中でも考えながら伝えています」
――今はいろんな情報があふれていて、選手もその情報を簡単にキャッチできる。
「情報が多すぎる分、それが正しいのかどうか、しっかり理解してほしい。自分に合うのか、合わないのかの見極めも大事になる」
――指導を一方通行で受けるだけでなく、選手自身の観察眼も大事になる。
「そうですね。あとは考える力。そこは磨いていってもらいたい部分です」
――ブルペンで球数を多く投げることは必要なのか。
「やっぱり、ピッチングすることは必要になる。今の選手は投げない子が多い。もちろん、ケガするまで投げなさい、ということではないが、投げないと覚えられないところはある。投げていく中でうまく行ったりダメだったりするので、うまく行った部分はどんどん伸ばして、悪かったところはどう修正すれば良くなっていくのかということを覚えていく。そうすることで引き出しが増えていく。その引き出しをゲームの中で生かせるようにしたいとは思います。シーズンに入れば調整は選手に任せますが、この1、2月に関しては投げていかないと。覚える時期だと思うので。なぜピッチングをするのか、投げることが大事なのかを説明しますし、理解した上で前向きに取り組んでほしい」
――自身も新日鉄広畑(現日本製鉄瀬戸内)で4年間、社会人野球を経験。その経験に基づいて選手に伝えたいことは。
「プロと違って一発勝負。自分の力をいかに発揮できるか。となれば、技術面、体のコンディションニングを上げていった上で、メンタルが一番大切になってくる。“打たれてはいけない”“抑えないといけない”というように、自分にプレッシャーをかけすぎてしまったり、弱気になってしまうことがある。そうならないための気持ちの持ち方や考え方を話していければ」
――一発勝負のトーナメントだからこそ、メンタルが大切になる。
「気持ちの持ち方や考え方が変われば、プレッシャーのかかる場面でもポジティブに自信を持って投げられるようになる。結果として、自分の持っている力を出し切ることができる。そうしたことを伝えていければ」
――メンタルを強く持つためには、何が1番大事になるのか。
「どれだけ前向きな考え方で、ポジティブにやっていけるか。結構難しいことなんですが、例えばピッチングをしてて、10球のうち、良い球が3球、悪い球が7球だとすると、ピッチャーは7球を取りがちになってしまう。確かに、悪かった7球はなぜそうなったのか、修正は必要です。でも、良かった3球に焦点を当てて、良い球をどんどん増やしていくというポジティブな考え方を持ってほしい。一気には変わらないので、練習の時から少しずつ。それを試合でも出せるようにしていく」
――自身にも経験がある?
「僕もメンタルが弱かったので。練習はうまくいくのに、試合でなかなか結果が出せなかった。2002年か、2003年ぐらいからかな。年齢を重ねるごとに、メンタルトレーニングも勉強を始めて」
――勉強をきっかけに変わった。
「野球ってすごい繊細で、特にピッチャーはそう。心の持ちようというか、それだけで結果もすごい変わる。ピッチャーは再現性が大事で、シャドーピッチングや実際の投球でフォームを固めていくことで、同じフォームで投げられるようになる。練習でできなければ試合ではできない。練習の時から試合のつもりで、一球一球つくっていくのです。それでもプレッシャーがかかる場面だったり、気持ちや体の調子によってうまくいかないこともある。再現性を高めるためにはやっぱりピッチングです。体にしみこませるための反復練習が必要になる。バッターは自分のフォームのことや、ピッチャーにタイミングを合わせる動作が入ってくる。となれば、ピッチャーの方が有利だよ、と。そういうことも伝えていきたい」
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