【卓球】「サボテンを育てている感覚」早田ひな、左腕の故障と付き合いながら史上6人目の3連覇

＜全日本卓球選手権女子決勝＞3連覇を達成し笑顔の早田（撮影・沢田　明徳）

　◇卓球・全日本選手権最終日（2025年1月26日　東京体育館）

　女子シングルス決勝で世界ランク5位の早田ひな（24＝日本生命）が、同6位の張本美和（16＝木下グループ）を下し、史上6人目の3連覇で4度目の優勝を飾った。

　同カードだった昨年の決勝は4―0で完勝。1年が経過しても、貫録を見せつけた。第1ゲームを11－3と圧倒すると、第2ゲームも11―6で奪って優位に。第3ゲームは13―11で接戦をモノにすると、第4ゲームも取り切ってストレートで押し切った。

　試合後の会見での主な一問一答は以下の通り。

　――決勝を振り返って。

　「素直にうれしいですし、今回で4回目の優勝で、昨年とは違った感じで。絶対に優勝する、というよりも、今年は軽い気持ちで全日本に入っていた。優勝する自信を持てなかったので。でも、全てを全て出し切ろうと思っていた。全てを出し切れたことにうれしさがある」

　――左腕の状態は？

　「今日は2試合で、準決勝が終わってから痛みがありながらもプレーしていた。でも、このレベルと世界では戦っていかないといけない。徐々に慣れていかないといけない。今回は自分の中で、強さというよりも、うまさで勝たないといけないと。昨年よりも考える部分は細かかった。半年や1年間、（左腕が）安定した状態に戻ってくるまで、そういうところが重要になる」

　――五輪前には戻れないと話していた。

　「ある程度、今ぐらい練習ができるようになったのが12月中旬からで、1カ月ちょっと。いつもの感覚に戻した状態で練習をして、試合もして、これもできない、あれもできないと。でも12月末からの試合の経験を生かして、諦めるところは諦める。できないものは、まだできない。自分の中で、サボテンを育てているような感覚で。サボテンは水やりを1カ月に一回ぐらいで、勝手に成長してくれる。その間に他の花を咲かせられる。そんな感覚でやっています」

　――石田大輔コーチと離れて。現状の練習はどのように？

　日頃から見てくれている方がたくさんいる。いろんな方の意見を聞きながら。いろんな方に技術や考え方を教えてもらいながらやっている。いろんな人に接して、考え方などを聞く機会が増えている。（自分の中で）シーズン1は、石田コーチがいろんな技術を見てくれていた。中3から10年間を見てもらって、いろんな技術に触れて、パリ五輪に臨んだ。（石田コーチから離れて）今度はいろんな人の考え方に触れ合うようになった。そこから、良いものを取り入れていくのがシーズン2かなと思います」