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【王将戦】藤井王将 貫禄の▲9三歩

スポニチアネックス / 2025年1月27日 5時1分

<ALSOK杯第74期王将戦第2局・第2日>投了する永瀬九段(右は勝利した藤井王将)

 ◇ALSOK杯第74期王将戦7番勝負 第2局第2日(2025年1月26日 京都府京都市 伏見稲荷大社 )

 【関口武史 明暗この一手】藤井王将の封じ手は▲5六角。遠く8三と2三の地点をにらんだ自陣角だ。永瀬九段は4筋から7筋の歩を突いて左右の銀を活用したいが、藤井の3四飛のけん制が強く、歩を突き出せない形。△7四角と藤井の角に反応するが▲6五桂の跳ね出しが用意の一手。桂跳ねは▲5三桂不成と飛び込み、王手で8、9筋へ角の利きを通す手を秘めているのが見逃せない。

 制約の多い永瀬だったが△9七歩成~△9六歩~△8五角と細かく動き、暴発を避け剣が峰で耐える。中盤の難所で手を渡す永瀬の胆力に迫力を感じた。

 先手は▲8三歩△同銀▲7三桂成△同桂▲7四歩のような激しい順や、▲2四歩△同歩▲同飛と右辺攻略など選択肢は多い中、藤井のじっと垂らした▲9三歩(A図)が貫禄の一手。先の手順を全て含みにして▲9二歩成△同飛▲5三桂不成の王手飛車を狙っている。

 永瀬はさらに△7六角と我慢を重ねるが、返す刀で▲2四歩の右辺攻撃が厳しかった。狙いの▲9二歩成を実現させ左右の挟撃態勢を築き、激戦の終盤戦を制した。(スポニチ本紙観戦記者)

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