ソフトバンク・城島CBO 甲斐の後継候補に育成3年目の20歳、盛島稜大を抜てき

プレイボールミーティングを終えたソフトバンクの城島CBO（撮影・岡田　丈靖）

　容姿も人選もサプライズ！ソフトバンクの城島健司チーフ・ベースボール・オフィサー（CBO＝48）が26日、福岡市内のホテルで開かれたプレーボールミーティング（監督・コーチ会議）にひときわ目立つ和装で出席。今春キャンプの振り分けでは、巨人にFA移籍した甲斐の後継候補として育成3年目の盛島稜大捕手（20）を推し、A組（1軍）に抜てきした。海野、谷川原、渡辺と競わせ、ポスト甲斐の育成に力を入れる。

　新たな役職で初出席したプレーボールミーティング。城島CBOは和装で現れ、周囲を驚かせた。昨年から和装に目覚め、黒とグレーを基調とした着物を新調。「今年から球団のスーツをみんなで着る以外は着物にします。50歳も近いし、和装もいいかな」と笑みを交えて語った。

　今春キャンプの振り分けでもサプライズの連発だった。育成3年目捕手・盛島のA組抜てきを小久保監督に事前に提案し、了承された。A組で海野、谷川原、渡辺との正捕手をかけた競争に参戦させる。盛島は1メートル87、104キロの大型選手。実家は沖縄・宮古島でメロン農園を営む新たなロマン砲だ。昨年から王会長、小久保監督に売り込み、2、3軍戦に足を運ぶように促していた。このオフには有原の自主トレに「行ってこい！」と参加させるなど、目をかけている秘蔵っ子だ。

　エースの剛球を受けて、体幹強化などの過酷な練習メニューもこなした盛島は「僕に何が足りないのかが気づけた。体が疲れにくいし、感謝です」と振り返っていた。次はキャンプでのアピールが始まる。

　長く正捕手として活躍した甲斐が巨人にFA移籍し、後継者育成は今春キャンプの大きなテーマだ。城島CBOは「若いのはアピールしないといけない立場。甲斐という素晴らしい捕手が抜け、チャンスなのは間違いない」と競争の号砲を鳴らした。小久保監督も誰が扇の要にふさわしいのかジャッジする春にする。「捕手に外野と（競争が）楽しみですよ。誰が出てくるのか、首脳陣として邪魔をせずにしっかりと見たい」と高いレベルでの争いに期待を寄せた。

　いよいよリーグ2連覇、5年ぶりの日本一奪回への挑戦が始まる。城島CBOは「トライ＆エラー」を重ねながらチーム成長させていく方針で、若い選手もどんどん勝負に加える。「小久保さんと新しいことにチャレンジする組織。よりいいものを残す」。粋な着こなしだけでなく、魅力あふれるチームづくりにも意欲的だった。　　（井上　満夫）

　≪王会長が技術の大切さを説く≫

　H…王貞治会長は会議の冒頭で監督、コーチ陣へ技術の大切さを説いた。「私が一本足打法にしたのは真っすぐが打てなかったからで、一本足打法にして今まで打てない球が打てるようになった。打てるようになったら自信がつき、さらに打てるようになった」と成功体験を語り「コーチは選手が一番、必要なことをやり続けさせてほしい。伸び悩んでいる選手には一つの事を徹底的に続けさせた方が、近道」と持論を語った。

　≪佐藤航＆庄子がA組に抜てき≫

　H…野手は高卒育成3年目の外野手・佐藤航、ドラフト2位の内野手・庄子（神奈川大）がA組に抜てきされた。「（佐藤航は）昨年の2軍での活躍もあり、今年はA組でスタートしてみようかという話になりました。ルーキーの庄子もAです」と小久保監督。佐藤航は青森・八戸学院光星から22年育成ドラフト11位で入団。昨年8月に2軍デビューし、37試合出場で打率.328を残した打撃を買われた。新人の庄子は50メートルを5秒7で走る快足が武器だ。

　≪ソフトバンクの今春キャンプ振り分け≫

　▼A組

　投手　スチュワート、上沢、津森、浜口、又吉、東浜、大津、岩井、尾形、杉山、前田悠、伊藤、大関、藤井、松本晴、前田純、大山、田浦、上茶谷、木村光

　野手　渡辺、谷川原、海野、盛島、川瀬、ダウンズ、牧原大、栗原、庄子、井上、リチャード、石塚、正木、柳町、笹川、緒方、川村、佐藤航

　▼B組

　投手　村田、板東、木村大、大野、岩崎、宮里、川口、大城、アルメンタ、大竹、井崎、岡田、藤原、山崎、張峻ウェイ、田上、宮崎、サルディ

　野手　嶺井、牧原巧、大友、広瀬、イヒネ、野村、藤野、桑原、山下、西尾、佐藤直、大泉、重松、オスーナ

　※有原、モイネロ、オスナ、ヘルナンデス、松本裕、近藤、山川、今宮、中村、柳田、周東は2月15日からの合流。それ以外の選手はC組（筑後）またはリハビリ組。