【有森裕子の目】小林香菜の快走は偶然じゃない 足全体の力強さは努力の証拠
スポニチアネックス / 2025年1月27日 4時11分
◇大阪国際女子マラソン(2025年1月26日 大阪市・ヤンマースタジアム長居発着)
9月の世界選手権(東京・国立競技場)選考を兼ねて行われ、早大のランニングサークル出身の小林香菜(23=大塚製薬)が日本歴代10位となる2時間21分19秒で日本人最上位の2位に入った。ラストスパートでパリ五輪6位入賞の鈴木優花(25=第一生命グループ)を逆転する驚異的な粘りを発揮。自己ベストを3分40秒も大幅更新し、参加標準記録を突破した。異色の経歴を持つニューヒロインが夢の世界選手権代表入りに前進した。
◇ ◇ ◇
小林さんは素晴らしい走りでした。実績がないので見ていて驚いた人も多いかもしれませんが、たまたま快走したわけではありません。それは彼女の足を見れば一目瞭然でしょう。足の筋の立ち方、筋肉の見え方、とにかく足全体の力強さが際立っている。聞けば「12月の月間走行距離は1200キロで、普段でも月に1000キロは走っていた」とのこと。走り込みでしっかりとした基礎をつくり上げてきたからこそ自己記録を一気に4分近くも短縮できたのであって、決してフロックではないのです。
今は典型的なピッチ走法ですが、多分本人も今のままでいいとは思っていないでしょう。私もピッチに近い走りでしたが、高速化が進む今のマラソン界はストライドが主流で、ピッチ走法で追いつける速さには限界があります。これから世界選手権、五輪とさらに上を目指していくためには今の走法プラス何かを身につけないと厳しいでしょうし、当然フォーム的にも変わっていくでしょう。
ここから先は本人の目標の持ち方次第です。河野監督と擦り合わせながらうまくやっていけば、鈴木優花さんとはまた違う面白い存在になってくれると思います。 (五輪2大会連続メダリスト)
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